インターネットで犬を注文して数時間で配達させるサービスが、子犬の不幸を増幅させている。手軽に利用者の満足感を満たす、こうした現代社会の風潮について、動物擁護団体が警鐘を鳴らしている。

 最新の調査によると、インターネットで子犬を買った人の3人に1人は、購入前に犬のブリーダーについて2時間程度しか調べていないことが分かった。英国では、飼育されている犬800万匹のうち、63万匹以上がインターネットで注文され、自宅まで届けられている。

 ブリーダーが子犬を購入者宅まで届けるということは、購入者がその子犬の飼育環境を見ることができないということを意味する。そして、こうした手法は、子犬や子猫を繁殖させる「パピーファーム(子犬工場)」の経営者らによって広く用いられているのだ。

 このような形で販売されたペットの数は過去4年間で急増しており、大きな懸念事項となっている。

 子犬の登録などを行うケネルクラブ(Kennel Club)が、犬の飼い主2173人を対象に実施した調査によると、子犬の飼育環境を知らずに業者の宅配サービスを利用したと答えた飼い主は、2014年には3%だった。宅配サービスを利用したとの回答は今年7%に増えた。ただ、事前に子犬の飼育環境を確認したかは明らかにされていない。

 またネットで購入される子犬の3割──年間約12万匹──が、1歳の誕生日を迎える前に死んだり病気になったりしているとのデータもある。

 ケネルクラブの関係者は、これから犬を飼おうと考えている人は、実際に飼い始める前にしかるべき配慮をするべきだと語る。「インターネットを通じて買い物がこれまでになく手軽になっている。しかし、そうした手軽さが、子犬の取扱いに懸念すべき影響を与えている」

「子犬を注文する人の多くが、その飼育環境について2時間程度しか調べていない現状には驚くばかりだ。この配慮のなさが子犬にとって危機的な状況を招いている」

 調査結果の公表に先立ち、マイケル・ゴーブ(Michael Gove)環境・食料・農村相は、動物の福祉基準を高める一環として、イングランドでの第三者による子犬と子猫の販売禁止を法制化する意向を発表している。

 この発表についてケネルクラブは、「パピーファーム」を根絶する「特効薬」との印象を多くに与えるだろうと述べる。しかし、そこには潜在的飼い主との直接のやり取りによって、不正ブリーダーが生き残る余地が残されていることを指摘した。

 ケネルクラブはさらに「ネット上で子犬の広告を見ることは何ら悪いことではないが、その子犬が置かれた環境、子犬といる母犬についても良く確かめてほしい」としながら、「ブリーダーによる子犬宅配のオファーや、対面前の支払い要求、さらには早く子犬を売りたいとのそぶりを見たら、何かがおかしいと思うべき」と述べている。

「(飼育施設にもかかわらず)きれいな場所に案内され、子犬を飼育している様子がまったく見られないときにも注意が必要だ」

The Telegraph 2018/9/9付記事抜粋





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