ペットは家族同然にいとおしい存在-。「ペットを飼うことで、生活に癒やし・安らぎがほしかった」「家族や夫婦のコミュニケーション」など飼い始める動機は人それぞれ。しかし、いつか永久(とわ)の別れが訪れる。飼い主は、その時どう送り出すか。“多様化”するペットの葬祭サービスを探った。

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約250体の犬や猫が眠る明るい雰囲気の納骨堂=水戸市谷津町の水戸ペットセレモニー

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ペットの写真と飼い主の感謝の言葉が入った位牌=同所


水戸市郊外にあるペット専用の葬儀場「水戸ペットセレモニー」。昨年、同葬儀場では犬、猫、ハムスター、金魚など約2000件の火葬を執り行った。「泣き崩れながら連れてくる飼い主も多い」と大森太園長は言う。

ペットフード協会(東京都)の2017年度全国犬猫飼育実態調査によると、推計飼育頭数は犬が892万頭、猫が952万6千頭。犬の平均寿命は14・19歳。猫の平均寿命は15・33歳だった。

同葬儀場には、茨城県内をはじめ、都内や埼玉県など県外からもペットとの最期の別れの時を過ごすため訪れる。花できれいに飾った手作りの棺(ひつぎ)に入れてくる飼い主もいる。「火葬することで、亡くなったことを受け入れ、気持ちが切り替えられる。骨つぼは、自宅に持ち帰り供養される方が多い」と大森園長は言う。

日立市の秋本文也さん(55)、尚美さん(54)夫妻は子どもがおらず、さきちゃんとはなちゃんの2匹のコーギーをわが子のようにかわいがっていた。尚美さんが落ち込んでいたり、体調が悪かったりした時、優しく寄り添ってくれ、家族の一員として一緒に暮らしを楽しんでいた。

4年前にさきちゃん、3年前にはなちゃんを亡くし、葬儀を行った。2匹は同葬儀場の納骨堂に眠っている。今、秋本さん夫妻は、コーギーのはるかちゃんと生活を送る。亡くなった2匹は秋本さん夫妻の心の片隅にあり、月一度、同葬儀場に会いに行っている。

一方、自宅近くで最期の別れをしたいと、移動火葬車を選ぶ飼い主もいる。石岡市にある「ペットの旅立ち石岡店」は、昨年4月から移動火葬車でペットの葬儀サービスを始めた。「自宅の側で、最期の別れをしたいという飼い主の気持ちに寄り添いたい」。動物葬祭ディレクター2級の栗田巧さんは言う。

昨年1年間で石岡市、小美玉市、かすみがうら市を中心に約90件執り行った。

「最期もきちんと送り出したかった。24時間体制でネットでの受け付けができたのが便利だった」。石岡市の中島さん一家は、今年4月、柴犬のりき君に別れを告げた。人の葬儀にあるように棺に六文銭と守り刀を入れ火葬した。今、りき君の骨つぼは仏壇の片隅にある。

家族社会学を研究する中央大学の山田昌弘教授によると、「約20年前からペットの家族化が始まった。現代は、家族から大切に思われている、または必要にされている実感が少ない人が多い。そのためペットが家族化している。また、日本では家族間のスキンシップの習慣がないため、ペットに温かいスキンシップを求めている」と話す。

社会学が専門の筑波大学の土井隆義教授は、「現代は、コミュニケーション力の期待値が高いため、人間関係に疲れる。そんな中、ペットは、無条件に承認してくれる存在。ペットが亡くなると、喪失感も大きいので、葬儀も人並みになるのでは」と話す。

茨城新聞クロスアイ 6/11(月)付記事抜粋





ペットの火葬 ウサギ、ハムスター、爬虫類などにも対応可

 この5月に、栃木県のJA足利が“ペット葬”事業を開始した。お別れ式の手配や火葬、寺院へ納骨の仲介も行うという。

 昔はペットが亡くなると、自宅の庭などに埋めるのが一般的だったが、最近はペットも家族同様に火葬して弔いたいという人が増加。それに伴い、前述のように別業種から新規参入する企業や団体が増えたのだ。また、そのまま庭に埋めるのが問題になってきたのも、ペット葬ブームのきっかけになっているという。

「土に埋めれば骨は自然に還ると思っているかたが多いのですが、骨は土に還りにくく、10年以上経ってもそのままのケースが多いのです」

 と、これまで3万件以上のペット火葬・葬儀などを行ってきた「愛ペットグループ」の北治美津子さんは話す(「」内、以下同)。

 また、賃貸物件の庭や公園・公共の場に埋めるのは違法となる。火葬にした方が、後々の問題も回避できるのだ。

◆お骨拾いも行える「立会個別火葬」が人気

 ペットの火葬には“合同火葬”と“個別火葬”がある。

 合同火葬は、他のペットと一緒に行われ、お骨拾いはスタッフが担当。納骨も合同で、返骨はできないが、費用が7000円程度に抑えられる。

 一方個別火葬は、自分のペットだけで火葬を行う。お骨拾い・納骨をスタッフに一任する“一任個別火葬”(1万3000円〜)と、火葬にも立ち会えて飼い主がお骨拾いも行える“立会個別火葬”(1万8000円〜)があり、予算で選べるのが一般的だ。

「火葬の場も、ペット霊園など火葬施設の整っているところや、火葬炉を搭載した専用車などがあります。最近は立会個別火葬を選択されるかたが多いですね」

 ペットなら、犬・猫以外でも、ウサギやハムスター、ハリネズミ、爬虫類、鳥などにも対応できるという。

◆納骨せずに持ち帰る人は約3割。一部残す“分骨”という選択肢も

 火葬後は遺骨をペット霊園や納骨堂に納めるのが理想ではあるが、必ずしも納骨しなければいけないというわけではないと、北治さんは言う。

「気持ちの整理がつかないうちは、無理に納骨する必要はありません。実際、弊社の火葬利用者の約3割は納骨せず持ち帰っています」

 とはいえ、手元に置いた場合、どのタイミングで納骨すればいいのだろうか。

「四十九日を1つの区切りにするのがおすすめです。寂しいなら、全部納骨せず、遺骨の一部を形見として手元に残す“分骨”という選択肢もあります」

 納骨方法も、ペット霊園の納骨堂や、人と同じように墓石を建てての納骨もある。これらも火葬同様、合同か個別かを選べるようになっている。

NEWS ポストセブン 6/6(水)付記事抜粋





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