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大牟田市動物園で飼育されているアムールヒョウの「ポン」


 動物園に貼り出されたアムールヒョウの「家系図」が、ネット上で注目を集めています。父・ベルと母・チャイムの間に生まれた3頭を紹介しているのですが、続けて読むと見事な「三段オチ」になっているのです。名付けの経緯について広島市安佐動物公園を取材しました。


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大牟田市動物園で飼育されているアムールヒョウの「ポン」


大牟田市動物園の「ポン」

 大牟田市動物園で飼育されているアムールヒョウの「ポン」。

 その飼育施設にはポンの家族を紹介する「家系図」が、写真付きで貼り出されています。

 ・父親「ベル」=1997年6月17日生まれ 2017年5月2日死亡

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父親「ベル」


 ・母親「チャイム」=2003年5月17日生まれ 安佐動物公園在住

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母親「チャイム」


 注目すべきは、この後に登場するポンと一緒に生まれた2頭です。

 ・「ピン」=2008年11月12日生まれ 福山市立動物園在住

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ポンと一緒に生まれた「ピン」


 ・「ダッシュ」=2008年11月12日生まれ よこはま動物園ズーラシア在住

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ポンと一緒に生まれた「ダッシュ」


 3頭を続けて読むと、「ピン」「ポン」「ダッシュ」となるのです。

 ベルとチャイムという呼び鈴に関連した夫婦から、ピンポンダッシュ=他人の家屋の呼び鈴を鳴らして逃げるいたずら、が生まれるという展開になっています(※ピンポンダッシュはやっちゃダメです!)。

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3頭を続けて読むと、「ピン」「ポン」「ダッシュ」


飼育担当に聞きました

 ツイッターでこの家系図が紹介されると、「家族5人でオチを付けるなんて壮大な家族計画」「ダッシュちゃんだけ上手くやっていけそう」といったコメントが寄せられ、話題になっています。

 「ポンが大牟田市動物園に来たのが昨年12月で、今年1月から一般公開が始まりました。家系図は一般公開に合わせて制作しました」

 そう話すのは、飼育担当の斉藤礼さんです。

 ポンを迎えるにあたって名前の由来を調べたところ、その面白さを知って「これはぜひ看板にしてみなさんに知ってもらいたい」と考えたそうです。

 「きっかけはどうあれ、まずはアムールヒョウのことを知っていただくきっかけになるのではないかと思ったんです」

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大牟田市動物園に貼り出されている「ポンの家系図」


名付けは広島市安佐動物公園

 ピン・ポン・ダッシュと名付けたのは、3頭が生まれた広島市安佐動物公園です。広報担当者は経緯をこう説明します。

 「名付けた当時の飼育員がいないため詳しいことはわかりませんが、ベルリンの動物園から来たのでベルと名付けたことから始まったようです」

 続いて、ベルのパートナーはチャイムに。そして子どもたちにも呼び鈴に関連した名前をつけようと、ピン・ポン・ダッシュになったそうです。

 「ピン、ポンと来て、最後は元気な感じの名前をということでダッシュになったと聞いています」

 名前が話題になったことについては、こう話します。

 「変わった名前ですが、アムールヒョウは希少な動物です。これをきっかけにその生態などについて知っていただけるとうれしいです」

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大牟田市動物園に貼り出されているポンの紹介


 ◇ ◇ ◇

 大牟田市動物園では今後、家系図だけでなく、野生の生態などがわかる解説文などの追加も検討しているそうです。

withnews 2/19(火)付記事抜粋




“犬蹴り上げ動画”広がる波紋 飼い主は「しつけ」主張.jpg

散歩中に飼い主が犬をけり上げる衝撃の映像。

動画がツイッターに投稿されると、瞬く間に波紋が広がり、警察が出動する事態となった。

京都市内で8日に撮影され、ツイッターに投稿されると、再生回数が瞬く間に437万回を超えた動画。

犬を散歩させている1人の女性が、次の瞬間、犬のおなかあたりを思い切りけり上げた。

その場に倒れ込み、飼い主を見上げる犬。

その後、再び歩き出したが、わずか10秒後、女性は、またしても犬をけり上げた。

2度にわたる、飼い犬への暴行。

この様子をカメラに収め、ツイッターに投稿した撮影者は、「直接注意することは怖くて、できなかったので、SNS上に載せて」と話した。

ツイッターで拡散するこの動画を目にして、広島で活動する動物保護団体の女性が行動を起こした。

動物保護団体・紫友会の川村紫代表は、「血が逆流するような怒りと悲しみですよね。このワンちゃんをすぐ助けに行きたい」と話した。

女性は動画投稿翌日の9日、車でおよそ5時間かけ、広島から京都市内に急行。

地図アプリと動画の風景を照合し、ついに現場を特定した。

動物保護団体・紫友会の川村紫代表は、「現場を押さえたので、警察に連絡をして。(『現場を押さえた』ということは、飼い主はその時点で、犬をけっていた?)そうですね」と話した。

女性は、飼い主から犬を引き取り保護。

犬はラブラドルレトリバーで16歳、高齢のメスだった。

ひざには傷があったほか、重度の膀胱炎の症状なども見られたという。

犬をけった飼い主の女性は「虐待違います。しつけです。たった1回きりのしつけを見られてね、そんなこと(保護)をされてね、ひどいでしょ?」と話した。

犬が保護されたのを受け、撮影した男性のツイッターには「SNSの良い拡散例です」といった声が。

犬は今後、動物保護団体の女性のもとで飼われるという。

FNN 2/12(火)付記事抜粋




「盲導犬協会で差別」視覚障害者の元職員提訴.jpg
盲導犬を連れて記者会見に臨む原告の女性=6日午後、東京・霞が関の司法記者クラブ


 勤務先の日本盲導犬協会で、職場に自分専用の机がないなど不当な扱いを受けたのは障害者差別だとして、元職員で視覚障害者の女性が6日、協会に1100万円の損害賠償を求める訴訟を東京地裁に起こした。

 女性は40代で、関東地方在住。提訴後に盲導犬を連れて都内で記者会見し「差別的な対応をされ、悔しい思いをした。視覚障害者を支援する組織で障害者への無理解は許されない」と訴えた。

 日本盲導犬協会は「弁護士と相談の上で先方と話し合いをしており、突然の提訴に驚いている。弁護士から違法な点はないとの回答を得ている」とのコメントを出した。

北海道新聞 2019年2月6日付記事抜粋




奈良公園のシカによるけが人が過去最悪 2018年度、奈良公園のシカで200人以上が負傷 けが理由の6割以上が「鹿せんべい」での餌付け 1.jpg

・2018年度、奈良公園のシカで200人以上が負傷
・けが理由の6割以上が「鹿せんべい」での餌付け
・担当者「ペットのような感覚で近づかないで」


私たち人間を癒してくれる動物との触れ合い。
近年では“猫カフェ”などの施設も増えたが、これらの元祖とも言える場所が、奈良県の観光名所「奈良公園」だ。
ここには国の天然記念物に指定されているシカが多数生息しており、公園内を悠然と闊歩する彼らとの触れ合いを楽しむことができる。
人慣れしているシカも多く、愛くるしい瞳やふさふさの毛並みを間近で見ようと、国内外から多くの観光客が訪れている。

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奈良公園の鹿


だが近年、このシカによってけがをした人が増えているという。
奈良県によると、2018年度のけが人数は過去最悪の209人(2019年1月31日現在)。2013年度と比較して約4倍に増加した。
大けがにつながるケースもあり、2018年度は8人が骨折以上のけがをして、うち5人が外国人だという。


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奈良県の資料を基に作成、統計は年度間の数字をまとめたもの(2018年度は1月31日時点)


なぜこのような事態となっているのだろう。けがを防ぐために気をつけるべきことはあるのだろうか。
奈良県庁にある奈良公園室の担当者に話を聞いた。


発情期や出産期のシカには注意が必要

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鹿せんべい


――けが人が増えている理由は?

観光客数の増加によるものと考えられます。奈良公園では統計を取っていませんが、奈良市に訪れる方は近年増え続けています。
奈良市に来た多くの方が、奈良公園に訪れるはずですので、間接的ですがけが人の増加に影響していると思います。


――けがの内容は?

けがの多くは、「鹿せんべい」を与える際に指などを噛まれてしまう軽いけがですが、シカ同士のけんかなどに巻き込まれるケースもあります。
骨折を伴うような大きなけがは、雄シカの発情期である9~11月に集中しています。この時期の雄シカは気性が荒くなり、雌シカを追いかけて人に追突してしまうこともあります。また、雌シカも出産期の5月中旬から7月まで、子鹿を守るために気性が荒くなります。これらの時期は注意しなければなりません。


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事故の状況別比率(2018年度、12月31日までの統計)


――外国人のけがが多い理由は?マナー違反があるのでは?

外国人、特に中国人のけがが多いのは、観光に訪れる人数自体が多いためと考えています。マナー違反は日本人にも見られるので「外国人のマナーが悪い」とは言い切れません。ただ、奈良公園のシカは誰かが管理しているわけではなく、あくまで野生動物です。「飼い慣らしている」という誤解を持っている方は、日本人よりも外国人の方に多いかも知れません。くれぐれもペットのような感覚で近づかないように、注意してほしいと思います。


「シカサイン」でけがの未然防止を

――けがを防止するため、気を付けるべきことは?

「鹿せんべい」を持つと多くのシカが寄ってきて驚くかもしれませんが、じらさないで素早くあげてください。持ったままあげなかったり手を上げたりすると、シカもイライラしてしまいます。身の危険を感じた時は、地面に捨ててしまった方がよいでしょう。

また、せんべいを全てあげ終えたら、両手を広げて何も持ってないことをアピールすることが大切です。シカも餌がないことを理解して離れていきます。
私たちはこの行動を「シカサイン」と呼んでいます。


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「シカサイン」のイメージ


――奈良県側はどのような取り組みを行っている?

注意喚起の看板を公園内40箇所に設置しているほか、駅や奈良県の施設にあるデジタルサイネージ(電子掲示板)やインターネットの動画配信などでも注意を呼びかけています。このほか、奈良の「鹿愛護会」や、ボランティア団体の「鹿サポーターズクラブ」によるパトロールなども行われています。


――観光客に気を付けてほしいことは?

最近はSNS向けの写真を撮影しようと、角を持つシカに必要以上に顔を近づけたり、シカの隣に子どもを置いて一人にするケースが目立ちます。雄シカの発情期や雌シカの出産期は気性が荒くなり、大人でも危険です。野生動物ということを忘れず、不用意に近づくことは避けてください。


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奈良公園に設置されている注意喚起の看板


奈良公園のシカと触れ合う際の醍醐味である「鹿せんべい」の餌付けが、けがの要因になっているとのことだった。
奈良県によると、観光客の中にはシカにまたがったり、餌の口移しを試みたり、スナック菓子やお弁当を餌付けしようとする人もいるらしい。


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私たち人間のけがを防ぐのも大切だが、シカの生態環境を維持していくのも同じように大切だ。
今回の場合、観光客の増加やSNSの普及が原因のようだが、これからも触れ合いが続けられるよう、奈良公園を訪れる場合は、あくまで野生動物だということを理解した上でシカに近づいてほしい。

FNN 2019年2月6日付記事抜粋




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ベンチにどっしりと腰掛け、しばらく体勢をキープ


 滋賀県草津市のJR草津駅周辺で、自転車に乗った飼い主の肩につかまり、散歩に繰り出す猫が「かわいい」「ぬいぐるみみたい」と評判を呼んでいる。人なつっこく、ベンチにどっしりと腰を下ろして写真撮影に応じるなどファンサービスはアイドル級。飼い主は「連れて歩くといろんな人と仲良くなれる」と、愛猫がつないでくれる出会いに感謝している。


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カフェでは行儀よく一休みする


気づけば買い物客が「撮影会」

 茶色の毛に、印象的なまん丸の目。栗東市の派遣社員小川由里子さん(38)が飼う7歳のオスの「マロン」は、短い足と穏やかな性格が特徴のマンチカンという品種だ。
 「人を怖がらないように育ってほしい」と、生後7〜8カ月目から外に連れ出すようになった。肩に乗せる「特訓」を自宅で始め、今では自転車をこいでいる間もしっかりとしがみつく。猫用の服とランドセル、リードを身につけ、週2回ほど街に繰り出している。
 駅東口に自転車を止め、西口の商業施設「エイスクエア」へ行くのが日課だ。小川さんがカフェで一休みする時は、マロンも前足をテーブルに行儀よく置く。ベンチが好きで、背もたれに寄りかかるように座ればしばらく体勢を変えず、気づけば買い物客らの「撮影会」に。「家ではやんちゃなのに、外ではなぜかおとなしいんです」と笑う小川さん。モデルとして頑張った日には、ご褒美にかにかま風味のおやつをあげるという。


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小川さんの肩にしがみつく「マロン」(草津市大路2丁目)


「天国からの贈り物」

 小川さんは30歳で結婚し、流産と子宮外妊娠を経験。その前後には両親を亡くした。昨年10月には、激しいめまいに襲われるメニエール病を発症し、入院生活を送った。今も薬の服用を続けている。
 つらい時期に心を癒やしてくれたのが、マロン。「この子は天使のような存在。街中でいろんな人から声をかけてもらえるし、すごいパワーを持っている。天国からの贈り物だと思っています」

京都新聞 2/6(水)付記事抜粋




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 神戸市出身で「猫写真家」として知られる沖昌之氏の「『残念すぎるネコ』写真展」が、2月9日から11日まで地元神戸で行われる。沖氏は“外猫”と呼ばれる野良猫などの自然な姿を捉えた写真が人気の写真家。『ぶさにゃん』『必死すぎるネコ』『残念すぎるネコ』などの写真集があり、全国各地で開催されている写真展も「癒やされる」と人気を博している。
 かわいいだけではなく猫の心情を表すような一瞬を捉える笑える写真が特徴。インスタグラムのフォロワーは11万人を超え、糸井重里氏が写真集の帯に「この猫(ヒト)たちに弟子入りしたい」とつづるなど、注目されている。この写真展は「神戸市営地下鉄スタンプラリー」として神戸市営地下鉄とコラボしている。
◆沖昌之「残念すぎるネコ」写真展
 場所 神戸BAL地下1階(神戸市中央区三宮町3丁目6の1、地下鉄海岸線 旧居留地・大丸前駅が最寄り)
 日程 2019年2月9日〜2月11日
 時間 11時〜20時
 スタンプラリー参加方法 写真展会場と市営地下鉄各駅に置いてあるスタンプラリーチラシ、もしくはチラシを印刷したものに、神戸市営地下鉄駅の駅窓口での駅スタンプと、写真展会場でのネコスタンプの2種類を押印。2種類のスタンプが押印されたチラシを、三宮駅の市バス・地下鉄お客様サービスコーナー(窓口は9時〜20時)に持参すると先着200人にポストカードがプレゼントされる。

神戸新聞 デイリースポーツ 2019.2.5付記事抜粋




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スコティッシュフォールド(左)とポメラニアン

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ブームにより飼育数が急激に変化

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「テレビの中の動物たち」GALAC 29年4月号


「かわいくて」「癒される」ペットのブームの影で、過剰繁殖、飼育放棄といった社会問題が顕在化。動物愛護の観点からペット問題を長年取材してきた記者が、メディアの果たすべき責任を鋭く指摘する。

●ペットの「流行」の裏で何が行われているか

 「なんと言っても犬はポメ、猫はスコです」

 昨夏、東京都内で繁殖業者を集めて行われた大手ペットショップチェーン主催のシンポジウム。登壇した同チェーン幹部は「テレビCMの効果がすごい」などと解説しながら、これから繁殖を行っていくべきだと考える犬種、猫種をそれぞれ一つずつあげた。

 「ポメ」とは、ソフトバンクのCMで「ギガちゃん」と名付けられたポメラニアンのこと。「スコ」はワイモバイルのCMで「ふてネコ」として有名になったスコティッシュフォールドだ。テレビCMによってポメとスコの人気に火がついており、ペット店の店頭では圧倒的な売れ筋になっているというのだ。だからペット店は、取引のある業者に繁殖をすすめる。

 「過去にチワワやミニチュア・ダックスフント、柴犬が人気になったときと同じです。繁殖計画の参考にされたらいかがでしょう」

 テレビと動物コンテンツの関係を考えるとき、やはりこの「ブーム」という側面についてまず触れていくべきだろう。

 ペット店チェーンの幹部が例示するまでもなく、過去に「流行犬種」は繰り返し作られてきた。たとえば漫画『動物のお医者さん』シリーズによって、1990年代前半にはシベリアンハスキーが爆発的に流行った。2002年にはアイフルのCMにチワワの「くぅ〜ちゃん」が登場し、チワワブームが起きた。これらのブームは、犬の飼育数そのものにも影響を与えたと考えられている。

 特定の犬種や猫種についてブームが起こる――。発端はCMや漫画だったかもしれないが、ブームを大きなものにする主要なプレーヤーはやはりテレビ(番組)だ。流行りの犬種や猫種を情報番組やバラエティ番組に登場させ、ときにはその子犬や子猫をスタジオに連れ出し、「かわいさ」を多角的に印象づける。結果として多くの視聴者が、かわいいと強く思わされ、飼いたい(買いたい)と考えることを肯定された気分になっていく。

 いつも不思議に思う。テレビの番組制作の現場では皆、このことに痛痒を感じていないのだろうか、と。ブームのツケは最終的に、犬や猫たちが払うことになるのに……。ハスキーブームやチワワブームの後には、各自治体の収容施設にこれらの犬種があふれ、また野山に大量に棄てられて野犬化し、社会問題になった。

 そしてその裏側の繁殖現場では、ブームを好機ととらえた過剰繁殖が行われた。高値で売れるうちに、繁殖用の雌犬たちは身体がボロボロになるまで繰り返し交配、出産を強要される。

 無計画な繁殖は、遺伝性疾患の蔓延にもつながる。鹿児島大学共同獣医学部の大和修教授(臨床病理学)は以前、私の取材に対して、プードル、チワワ、ダックスフント、柴犬など特定の犬種に人気が集中する日本独特のペット事情を指摘しつつ、こう話した。

 「特定の犬種がメディア報道で爆発的に流行し、短期間で可能な限り多くの個体を生産する努力が払われる。そんな土壌が遺伝性疾患を顕在化させ、新たに作り出す要因になっていると推測される」

●ペット業界の活況と無謀な繁殖との因果関係

 猫ブームについては、まさに今、これまでのブームと同じ轍を踏みつつある。

 00年時点の推計飼育数は犬約1000万匹に対し猫は約770万匹だった。ところが、同年代半ば以降に始まった猫ブームにより、16年には犬猫の推計飼育数は拮抗し、ともに1000万匹弱になった。この間、テレビだけでなく猫を題材とした写真集や映画、雑誌が数多く世に出され、ブームは加速した。「ネコノミクス」なる造語も登場し、その経済効果は2兆円を超えるという試算もある。

 当然、ペット店の活況につながる。

 全国で約100店を展開する大手チェーンのAHBでは15年度、犬の販売数が前年度比7%増だったのに対し、猫は同11%増だった。同じく大手チェーンのコジマでも、前年比2割増のペースで猫の販売数が増えているという。「猫は仕入れるとすぐに売れるため、地方都市まで回ってこない」(別の大手チェーン従業員)という状況だ。

 入手ルートにも変化が起きつつある。ペットフード協会の16年の調査では、入手先が「ペット店」だったのは70代では11.9%だが、20代では23.5%。「友人/知人からもらった」(33.8%)や「野良猫を拾った」(23.5%)に迫ってきた。年代が若くなるほど、もらったり拾ったりするのではなく、店で買う人が増える傾向にあるのだ。

 このため猫の仕入れ値は急騰。16年のゴールデンウィーク前後には、仕入れ値は例年の3〜4倍になった。競り市では子犬の落札価格を上回る子猫は珍しくなくなり、20万円を超える落札価格を記録する子猫も出てきているという。

 もう、問題が起き始めている。

 ペット業界幹部は「『犬だけでなく猫も』という安易な兼業繁殖業者が増えてきている」と懸念する。犬は普通、年に2回しか繁殖できないが、猫は日照時間が長くなると発情期が来るタイプの季節繁殖動物。大手ペット店チェーン経営者によると「猫は蛍光灯をあて続ければ年に3、4回繁殖できる。犬のように運動させる必要もないから狭いスペースで飼育でき、とにかく効率がいい」という。母猫の健康を考えない繁殖が行われているおそれがあるのだ。

 遺伝性疾患の増加を懸念する声もあがっている。前出の大和教授は「日本国内の繁殖用の猫は、犬に比べるとまだ集団が小さく、犬よりも遺伝性疾患が広がりやすいと考えられる。原因遺伝子が特定できている遺伝性疾患は、繁殖業者の段階でアフェクティッド(発症者)やキャリアー(保因者)の個体を繁殖から徐々に外していけば、確実に減らしていける。しかし犬ではそれがあまり実践されず、猫も同じ轍を踏みつつある」と指摘している。

 冒頭に紹介した人気猫種のスコティッシュフォールドは、骨軟骨形成不全症が優性遺伝する。優性遺伝する場合、原因遺伝子を持っている個体とそうでない個体とを交配させると、2匹に1匹が発症する個体になってしまうため、事態は厄介。スコティッシュフォールドでは、折れ耳の場合はすべてがこの病気を発症するとされている。発症すれば、前脚や後ろ脚の足首に骨瘤ができて脚を引きずって歩くような状態になるなどする、根治が困難な病気だ。

●ブームのツケを払わされる動物への想像力を持ってほしい

 テレビが流行らすのは犬猫に限らない。例えば日本テレビ系の「天才!志村どうぶつ園」では、タレントがコツメカワウソを飼育してみせた。犬や猫は長い時間をかけて人間が家畜化してきたペットだが、コツメカワウソは本来、野生動物。寿命は10〜15年ほどといわれており、犬猫と同じくらい長寿だ。一方で、その飼育は容易ではない。にもかかわらず、テレビでその姿を放送し続けたことで、コツメカワウソをペットとして飼おうという人が出てきた。

 余波はすでに、動物園動物にも及んでいる。16年4月に鹿児島市平川動物公園が動物商に渡したコツメカワウソ2頭が転売され、静岡市内のペットショップで販売されているのが発見された。動物愛護団体が問題視し、抗議を行うなどした。自分たちが繁殖させた動物たちの行方を管理できていない動物園も問題だが、そもそもペットとしてのニーズが高まらなければ、こうした「流出」も起きなかったはずだ。コツメカワウソがこれから日本でどんな運命をたどってしまうのか、注視していく必要がある。

 テレビの制作現場で働く方々にはまず、ブームをつくることで動物たちの身の上に何が起きるのか、想像力を持ってほしいと切に願う。

 テレビと動物コンテンツにまつわる問題でもう一つ大きなテーマは、収録現場における動物たちの取り扱いについてだ。以下は13年に『AERA』誌上で言及した内容だが、ここで改めて触れたい。

 猿の首に釣り糸を巻きつけて無線操縦車につなぎ、引っ張り回すことで、追いかけているように見せる――。フジテレビは13年11月1日、そんな「演出」を行ったバラエティ番組「ほこ×たて」の放送終了を発表した。当時の発表内容によると、同社にとっては、演出によって真剣勝負への信頼性を損なったことが致命的だったという。だが番組制作のために、動物への虐待行為を行ったことこそ、より大きな問題ではなかっただろうか。動物愛護法(動物の愛護及び管理に関する法律)ではこう定めている。

 第二条 動物が命あるものであることにかんがみ、何人も、動物をみだりに殺し、傷つけ、又は苦しめることのないようにするのみでなく、人と動物の共生に配慮しつつ、その習性を考慮して適正に取り扱うようにしなければならない。

 そして、「愛護動物をみだりに傷つけた者」は2年以下の懲役か200万円以下の罰金が科される(第四十四条)。フジテレビによる一連の演出は、動物愛護法違反に問われかねない「事件」だったといえるのではないだろうか。

 振り返ってみれば、テレビ局による動物の取り扱いは、ずさんと言えるものが少なくない。

 例えばNHKは「爆笑問題のニッポンの教養」で、ハムスターを箱に入れて絶叫系マシンから落下させる「実験」を行った。NHK広報局は「専門家の指導のうえで、問題がないことを確認して行った」などという。だが動物実験における国際規範「3R」(苦痛軽減、代替法活用、使用数削減)に照らせば、あえて生きたハムスターを使う必要がある実験とは考えにくい。

 また「天才!志村どうぶつ園」では、前述のとおりタレントが野生動物を屋内で飼育したり、「生まれたばかりの子犬」をスタジオに登場させたりしていた。番組に長く登場していたチンパンジーについても、学術研究か繁殖目的以外の譲渡、飼育を禁じる「種の保存法」の観点などから、05年以降その飼育業者に対して日本動物園水族館協会が改善を求めてきた。10年には、番組におけるチンパンジーの取り扱いに改善が見られないとして、環境大臣の諮問機関である中央環境審議会の動物愛護部会小委員会で問題視されてもいる。日本テレビ総合広報部は「幼齢な犬猫に関しては動物愛護法の改正前、後ともに遵守して撮影、放送を行っている」「野生動物の飼育企画に関しては、視聴者に共感してもらえる内容にするため」「チンパンジーについては、種の保存法に基づいて撮影している」などとしていた。

 ほかにも、テレビ朝日の「劇団ひとりの新番組を考える会議」では、期間限定で子犬を飼ってみるという企画を行った。子犬の精神的負担や動物愛護法第七条が定める終生飼養の観点から、この企画に問題はないのだろうか。問い合わせに対して同社広報部は「日ごろから適切な対応を心掛けている」などと回答した。

●動物の取り扱いについてメディアは自主規制を導入する時期

 動物番組の内情に詳しい業界関係者に取材すると、こんな話も聞こえてきた。

 「動物のありのままを伝えるまじめな内容よりも、犬の赤ちゃんをスタジオに連れてきてタレントがキャーキャー言いながら抱き上げるほうが、ヒット企画としてもてはやされる。撮影の現場では、出演タレントにも見せられないような動物への暴力が振るわれることもありますが、動物を思い通りに動かすためには黙認されてしまう。視聴率至上主義の構図のなかで、動物にしわ寄せがいくのです」

 こうした状況は、なぜ放置されてきたのか。

 米国には、あらゆる映像メディアでの動物の取り扱いを監視するAHA(アメリカ人道協会)という非営利組織がある。ハリウッド映画をエンドロールの最後まで見ていると、動物が少しでも出てきた作品であれば必ず、このAHAが定めた基準を満たしている旨を告げるクレジットが表記されているはずだ。ほかにも英国では、映画やビデオの撮影に動物を使う際の規制法がある。

 日本はどうか。民放連の放送基準やNHKの国内番組基準に動物に関する文言はない。各テレビ局の対応や主張もまちまちだ。

 昨今、動物福祉の観点から、犬や猫などの繁殖業者や販売業者に対して、社会の厳しい目が注がれるようになった。テレビ業界でも、番組制作上の都合で動物を、その生態を無視して好き勝手に扱うことは自粛していくべき時期に来ていると思う。

 最近、日本映画を見ていると、「この映画の製作にあたって動物に危害は加えていません」などの文言がエンドロールに表示されることがある。AHAの取り組みを個別の作品ベースで踏襲しており、歓迎すべきことだ。ただ、客観性を保ち、そもそもメディアに利用される動物たちの福祉を向上させていくためには、やはり業界全体で取り組む必要がある。テレビだけでなく映画、そして私自身が身を置く新聞や雑誌も含めたメディア業界に提案をしたい。日本でもそろそろ、メディアが動物を利用する際の規則を自主的に取り決めてはどうだろうか。

『GALAC(ぎゃらく)4月号』記事抜粋




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NPOに保護され、新たな飼い主に託されたきょうだい猫

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保護されたアメリカンショートヘア

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2016年度中に販売または引き渡された犬猫の数(かっこ内は死亡数)


 いま、ペットの猫は年間16万匹超も流通している。なぜ、それだけの数を「増産」できるのか。ブームの陰には、過酷な状況を強いられる猫たちがいる。売る側にも買う側にも“猫バブル”の実態を直視してほしい。

「命をお金に換えることに罪悪感がありました。いまもその思いは消えません」

 関東地方で猫の繁殖業を営んでいた女性は、そう告白し始めた。

 たまたま入ったペットショップで、ある純血種の雌猫を衝動買いしたのが始まりだった。1匹だと寂しいだろうと、同じ種類の雄猫を続けて買った。2匹とも不妊・去勢手術をしないまま飼っていると、翌年から次々と子猫が生まれ始めた。困って近所のペットショップに相談すると「ぜひ出してくれ」と言われ、卸売業者を紹介された。それから、生まれた子猫たちを売るようになったという。

「1匹数万円で売った猫が、ペットショップの店頭では十数万円で売られていた。店頭に並ぶ子猫の姿を見ると、胸が痛みました」

 数年前に体調を崩し、廃業せざるを得なくなった。だが繁殖用の猫たちは手元に残り、管理が行き届かないまま増え続けた。糞尿の片付けも追いつかず、自宅の中は強いアンモニア臭が充満するようになった。追い込まれ、最終的に動物愛護団体に助けを求めた。女性はこう振り返る。

「最大40匹くらい抱えてしまい、餌が足りなかったのか、成猫に食べられてしまう子猫もいました。猫たちはもちろん、自分も家族も、誰も幸せにはなれませんでした。せめて、買われていった子猫たちは幸せになっていると信じたい」

 空前の猫ブームが追い風となり、ペットショップなどによる猫の販売数が右肩上がりになっている。朝日新聞の調査では猫の流通量は2016年度まで2年連続で増加しており、その数はいまや年間16万匹を超える。販売価格も高止まりしており、猫ビジネスの現場はバブル状態だ。だがその裏側には、猫たちを巡る過酷な現実があった。

 朝日新聞が、第1種動物取扱業に関する事務を所管する自治体にアンケートを行い、繁殖業者やペットショップなどが自治体への提出を義務づけられた「犬猫等販売業者定期報告届出書」の集計値を尋ねたところ、16年度の猫の流通量は16万5859匹に上っていた。動物愛護法が改正されて同届出書の集計が可能になった14年度は13万3554匹だったから、たった2年で2割以上も流通量が増えた計算になる。

 流通量が増えるということは、当然ながら生産量も増えている。猫ブームの裏側でここ数年、猫は「増産態勢」に入っているのだ。

「猫の販売シェアが年々増加しており、猫のブリーダーの皆さまにはたいへんお世話になっております。本日は、猫の効率の良い繁殖をテーマに話をさせていただきます」

 16年初夏、ある大手ペットショップチェーンが都内で開催した繁殖業者向けのシンポジウム。講師を務めた同社所属の獣医師は、そう語りかけた。

 獣医師はさまざまなデータを用いながら、猫は日照時間が長くなると雌に発情期がくる「季節繁殖動物」であることなどを説明。そのうえで、繁殖用の雌猫に1日12時間以上照明をあて続けることを推奨する。

「普通の蛍光灯で大丈夫です。ぜひ長時間にわたって猫に光があたるよう飼育していただきたい。そうすれば1年を通じて繁殖するようになります。年に3回は出産させられます」

 実は猫は「増産」が容易な動物なのだ。

 この獣医師が言うとおり季節繁殖動物である猫は、日光や照明にあたる時間が1日8時間以下だと発情期がこず、1日12時間以上照らされていると1年を通じて発情期がくる。だから日本で暮らす野良猫は、一般的に1月半ばから8月に発情する。

 そして猫は、交尾した日から67日目前後に出産する。子猫に母乳を与えている間は、ホルモンの影響で母猫の発情は抑制される。生後1カ月を超えたくらいで子猫が次第に離乳すると、その2〜8週間後に再び発情期がやってくる。

 つまり繁殖業者は、繁殖用の雌猫に1日12時間以上照明をあて続け、生まれた子猫をなるべく早めに出荷・販売すれば、年3回のペースで出産させることが可能になるのだ。発情が周期的に、およそ6カ月ごとにくる犬では、こうした「増産」は難しい。一般社団法人「日本小動物繁殖研究所」所長の筒井敏彦・日本獣医生命科学大学名誉教授はこう話す。

「積極的に子猫を産ませようと思うブリーダーがいれば、年3回はそう難しくはない。だが、繁殖能力が衰える8歳くらいまでずっと年3回の繁殖を繰り返せば、猫の体にとって確実に大きな負担となる。また子猫を長く一緒に置いておくと繁殖のチャンスが減るということを、多くのブリーダーが理解している。このことで、子猫の社会化に問題が出てくる可能性も否定できない」

 ブームによる旺盛な需要とともに、子猫の価格の高止まりが、「増産」を後押しする。競り市(ペットオークション)における子猫の落札価格は高騰しており、この1、2年は、5年前の水準と比べると3〜4倍の高値で取引が行われている。競り市に出入りしている繁殖業者によると、子犬よりも高い価格で落札される子猫も増えており、17年春には落札価格が20万円を超える子猫もいたという。

 こうした市場環境は、繁殖業への新規参入を促す。まず目立って増えたのが、「犬だけじゃなくて猫も」と猫の繁殖に参入する犬の繁殖業者だ。ある大手ペットショップチェーンの推計では15年度時点で既に、繁殖業者の3割以上が「犬猫兼業」になっていたという。

 ほかにも脱サラや定年退職して猫の繁殖業を始める人もいれば、「農家の人で、野菜を作るより猫を繁殖するほうが効率がいい、と始める人もいると聞く。安易に猫の繁殖を始める人が相当いる」(大手ペットショップチェーン経営者)といった状況だ。前出の筒井氏はこう憂える。

「犬と猫は全く別の動物です。たとえば、犬では感染症を防ぐのに有効なワクチネーションプログラムが確立しているが、猫ではワクチンで十分に抑えきれずに広がってしまう疾患がある。求められる飼育環境も、犬と猫とでは全く異なる。猫を飼育する際のさまざまなリスクを、犬のブリーダーがどれだけ理解できているのか心配です」

 猫の繁殖に参入したものの数年で撤退に追い込まれる業者も少なくない。関東地方で20年あまり犬の繁殖業を続けてきた女性は数年前、ブームに乗って猫の繁殖も始めてみた。だがしばらくすると感染症が蔓延した。「犬と同じようにいくのかと思ったら全然違った。感染症が一気に広まって、怖くなってやめました」と女性は振り返る。

 業者が廃業しても多くの場合、猫たちは繁殖から解放されない。廃業は第1種動物取扱業の登録が抹消されることを意味する。つまり、行政の目が届かなくなる。結果、繁殖に使われていた「台雌」と「種雄」の多くは、同業者に横流しされていく。こうした猫たちは、行政に把握されないまま闇へと消える。

 生産、販売ともに好調という事実は、ペットショップで猫を購入するという消費行動が普及してきたことを意味する。ブームは、消費者に衝動買いを促すという側面も持つ。衝動買いの結果が安易な飼育放棄に結びつきやすいことは、犬で証明されてきた。

 実際、純血種の野良猫が増えてきたという証言がある。

「アメリカンショートヘアやロシアンブルーなどと混血した野良猫はもはや珍しくありません」

 2月5日、超党派の国会議員で作る「犬猫の殺処分ゼロをめざす動物愛護議員連盟」の会合の場で、埼玉県内を中心に野良猫の保護活動を行っている保護猫カフェ「ねこかつ」の梅田達也代表はそう指摘した。

 昨年9月に埼玉県行田市内の公園で約20匹の野良猫を保護してみると、そのほとんどがスコティッシュフォールドやノルウェージャンフォレストキャットなどの純血種だった──というようなことも起きているという。

 このまま猫ブームが続けば、猫たちの過酷な状況は拡大再生産されていく。もちろんブームにはいつか終わりがくる。ただペットのブームは、終わった後にも悲劇が起こる。大手ペットショップチェーンの経営者はこう話す。

「高く売れるからとこの数年、各ブリーダーとも子猫の繁殖数を大幅に増やしている。そのため、繁殖用の猫をかなりの数、抱えてしまっている。ブームに陰りが見えて子猫の販売価格が下がり始めたら、増やしすぎた繁殖用の猫たちがどうなってしまうのか、行く末が懸念される」

週刊朝日 2018年3月16日号記事抜粋




環境省に“虚偽説明”か ペットの販売規制で業界団体 アンケートの回答誘導に続く疑惑浮上_1.jpg
子犬や子猫は8週齢(生後56〜62日)よりも前に親元から引き離されると、かみ癖やほえ癖などの問題行動を起こしやすくなる。このため現在、生後56日以下の子犬・子猫の販売を禁止するための法改正が議論されている

環境省に“虚偽説明”か ペットの販売規制で業界団体 アンケートの回答誘導に続く疑惑浮上_2.jpg
全国ペット協会(ZPK)は1回目のアンケートについて、「代表者またはそれに準じる方ではなく、回答資格者ではないスタッフが回答した事例が判明した」ことも再調査の理由として主張している。だが1回目(上)、2回目(下)ともに、回答者の役職や肩書などを書く欄はもうけられていない


 幼い子犬や子猫の販売規制強化が検討されるなか、業界団体が議論の材料となるデータを業界側に都合のいい方に誘導した疑いが出ている。この問題を巡り、業界団体が環境省に事実と異なる“虚偽説明”をしていた疑惑も新たに浮上した。環境省は調査には及び腰で、議論の信頼性が問われそうだ。

 動物愛護法は、幼い子犬や子猫を生後の一定期間販売できないように規制している。2013年からは生後45日、16年以降は49日まで販売できないようになった。この規制を56日(8週間)まで伸ばすことが議論されている。繁殖業者やペットショップなどは、コストや営業面で負担が増すなどとして反対している。

 ペットショップなどでつくる一般社団法人「全国ペット協会(ZPK)」は今年1月、規制強化に関わるアンケート結果を環境省にいったん提出したが、数日後に撤回。2回目のアンケートを実施し、3月に再提出した。ペット業界関係者によると、2回目のアンケートではペットショップなど業界側に都合の良い結果になるよう、回答が「誘導」されたという。

 今回新たに、ZPKがアンケートの再提出について、環境省に虚偽の説明をしていた疑いがわかった。

 中川雅治環境相は6月1日、閣議後の会見で、ZPKによるアンケート結果の差し替えについてこう説明している。

「1回目のアンケート結果は短期間で実施したので不正確な情報が含まれているため取り下げたいと申し出があって、了承した」

 だが、「短期間で実施した」というZPK側の説明は事実と異なる。

 朝日新聞の調べでは、1回目のアンケートは、昨年12月5日にZPK事務局が用紙を配布し始め、回答の締め切りは同月29日に設定されていた。最大25日間の回答期間があった。

 これに対し2回目のアンケートは、調査は2月19日から3月13日までで、最大23日間の回答期間となっている。2回目の方が回答期間が2日間短く、1回目のアンケートを撤回し再提出する理由にはなりにくい。

 ペット業界関係者によると、1回目のアンケート結果が、販売規制を強化しても「犬や猫の健康状態や社会性は良くなる傾向のほうが強い。経営への影響はあまりない」といった内容だったため、ZPKのある幹部の意向で急きょ差し替えが決まったという。ZPKをはじめとするペット関連の業界団体では、販売規制の強化によって「犬や猫の健康状態や社会性はかえって悪くなり、経営には悪影響がある」と主張してロビー活動を展開してきたが、「この主張と矛盾するアンケート結果が出たことに、ある幹部が激怒したのです」とペット業界関係者は明かす。

 中川環境相は会見で、「質問事項も違うということで、結果が違っているという説明もいただいておりまして」とも述べている。これについてもZPK側の説明には無理がある。

 1回目と2回目のアンケートの質問事項を比べると、規制強化に関する議論のカギとなる幼齢な子犬・子猫の「健康状態」や「社会性」に対する質問については、基本的に同じ内容になっている。表現について細かな違いはあるものの、「質問事項が違う」とは言い切れない。

 朝日新聞の取材では、ペットオークション(競り市)の現場で、2回目のアンケート用紙を担当者が配布する際に、回答の誘導とみられる行為があった。担当者が、

「前回は何日で出荷しても変わりないかのようなアンケート結果だったけど、みんな本当にわかってるの。負担が増えるし大変なことになるよ」

 などと呼びかけていたという。

 ペット業界関係者は朝日新聞の取材にこう憤る。

「ZPKの一部の幹部によって、組織の機関決定も経ずに、アンケート結果を改ざんするようなことが行われた。環境省にも実態と異なることを言って、アンケートを再提出することにした。ZPKにとってマイナスだし、ペット業界全体が社会的信用を失ってしまう」

 中川環境相は、今回の問題について「調査するということは考えておりません」としている。

 ZPKは朝日新聞の取材に対し、文書で回答した。

 アンケート実施期間に関する環境省への説明については、「虚偽の説明は致しておりません。1回目のアンケート実施期間は年末の繁忙期と重なっていたことから、回答者には実質的に短期間での回答を求めるかたちとなりました」などと主張している。

 中川環境相が「質問事項も違う」と話したことに関しては、「1回目と2回目では同じ設問、選択肢もございますが、より具体的に実態が把握できるように表現の変更や選択肢等の追加を行っています」とした。

 文書での回答を受けて朝日新聞はZPKに、「質問の趣旨が同じものが大半なのに質問事項が違うと事実と異なる説明を環境省にしたのはなぜか」などの事項について改めて尋ねた。

 ZPKは「回答を差し控えさせていただきたく考えております」としている。

週刊朝日 2018.6.21付記事抜粋




スクープ! ペットの販売規制で業界団体がデータ“改ざん”か_1.jpg
全国ペット協会(ZPK)の事務局があるビルの一室=東京都千代田区

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アンケートの1回目と2回目では結果がこんなに違う


 幼い子犬や子猫たち。その心身が健やかに育つように、販売規制の強化が議論されている。その材料となるデータが“改ざん”された疑惑が浮上している。ペットの業界団体が環境省にいったん出したアンケート結果を撤回。業界側に都合のいい回答になるよう「誘導」し、差し替えたというのだ。

 ペットの販売方法について規制しているのが動物愛護法だ。今年は5年に1度を目安に改正を議論する年に当たる。改正の最大の焦点になっているのが、生後すぐには子犬・子猫を販売できない規制の強化だ。

 あまりに早く親元から引き離すと、攻撃的な行動などを起こしやすくなり、健康面でも問題があるとされている。動物愛護法の前回の改正で、2013年から生後45日、16年以降は49日まで、販売できないようになった。これを8週間(56日齢)まで延ばすことが議論されている。

 欧米では8週間の規制が一般的だが、日本ではペット業界の反対もあって49日の規制にとどまっている。子犬や子猫は幼いほうが消費者に人気で、飼育のコストを抑えるためにも、ペット業界は一日でも早く売りたいのが本音だ。

 こうした中、ペットショップなどでつくる一般社団法人「全国ペット協会(ZPK)」が、環境省の中央環境審議会動物愛護部会に3月に提出したアンケート結果に、疑惑の目が向けられている。

 ZPKはペットショップや繁殖業者などを対象に、「犬・猫などの販売・流通に関するアンケート」(有効回答755件)をした。それによると、販売規制が45日から49日に強化されたことで、健康状態や社会性が「悪化傾向にある」となっている。49日から56日に規制が強化されることにも、否定的なものになっている。

 子犬や子猫を生後まもなくに販売しても問題はないという、業界側の主張を裏付けるようなものだ。国内外の調査では早期販売には問題があると指摘するものが一般的で、それとは反対の結果になっている。

 この結果をもとにZPKの脇田亮治専務理事は、3月26日の動物愛護部会で、「(繁殖業者から出荷されるまでの日数が)4日増えたことにより、出荷時の子犬・子猫の健康状態が悪化傾向にある」などと説明。ほかの委員に規制強化の問題点をアピールした。

 これに対しては委員から「有意義な情報だ」などといった声が上がった。日本獣医生命科学大学の水越美奈准教授はこう評価した。

「週齢だけではなく環境や状況も含めた議論がまさに必要だということを、この結果から思いました」

 しかし、驚くべきことにこのデータが“改ざん”されていた可能性がある。

 記者はZPKが今年1月、環境省に提出したあるアンケート結果を入手した。「ペット販売及び流通に関するアンケート」というタイトルで、有効回答数は564件。ZPKが3月に出したものとは逆の印象を抱かせるデータが並ぶ。

 その内容を見ると規制強化に伴う子犬の問題行動について聞いた質問で、1月に出した最初のアンケートと、3月のものとでは数値が大きく異なる。子猫の問題行動について聞いた質問でも、同様の結果になっている。

 子犬や子猫の健康状態に関する質問でも、最初のアンケートでは規制強化したほうが良くなる傾向のほうが強かったのに、3月のものでは悪くなる傾向だった。

 規制強化の経営へのダメージについての質問でも、最初は影響がないという傾向だったのに、3月の結果では悪い影響があるという傾向になっている。

 環境省によると、ZPKは最初のアンケート結果を1月に送った数日後に、取り下げと新たなものに差し替える方針を伝えてきたという。環境省は二つのアンケート結果について、「印象がかなり異なることは認識していた」としている。

 短期間で「業界に有利なデータ」に差し替えられたのはなぜか。業界関係者によると、規制強化に反対するあるZPK幹部が最初のアンケート結果を見て、「こんなんじゃダメだ」などとして、後日再調査を指示したという。

 再調査は2月から3月にかけて行われた。ZPK事務局がペットショップや、繁殖業者が集まる競り市(ペットオークション)にアンケート用紙を送った。

 関係者によると、用紙を配る際に担当者によって回答の「誘導」と受け止められるような行為があったという。ある競り市で用紙を配られた繁殖業者は、競り市の担当者がこう呼びかけていたと証言する。

「前回は何日で出荷しても変わりないかのようなアンケート結果だったけど、みんな本当にわかってるの。負担が増えるし大変なことになるよ」

 こうして再調査した結果が、3月の部会に提出された。業界関係者はこう憤る。

「8週齢規制は子犬や子猫の健康を守ることにつながるのだから、賛成のペット店経営者も少なくない。そんな中で今回あるZPK幹部が主導し、アンケート結果を改ざんするようなことをした。業界団体にとってマイナスだし、業界全体が社会的信用を失ってしまう」

 法改正の議論の材料になるデータが“改ざん”されていれば、結論がゆがめられる恐れがある。財務省による決裁文書の改ざんのように、社会的に非難されることにもなりかねない。

 アンケートの差し替えを主導したとされる、ZPK幹部に5月24日に直撃取材した。一連の経緯などについてこう主張した。

「最初のアンケートは12月に短期間でやり、オークションに来ている人たちにその場で回答してもらうこともあった。経営者らに書いてもらう必要があったのにそうならなかったこともあり、もう少しきちんと考えて書いてもらわないといけないということになった。最初のは設問の仕方もわかりにくかった。再調査は私だけの指示ではない。私は改ざんだとは思っていない」

 競り市の会場で回答を「誘導」するような行為があったことについては、「現場にいないからわからない」。競り市の担当者がZPK側の意向を忖度して「誘導」したのではないかという疑問には、「いい意味での忖度はあったかもしれないね」と述べた。

 ZPKの事務局は取材に対しこう説明している。

「1度目のアンケート結果に疑義が生じたため、再度、調査を実施することとしました。設問や選択肢も再度検証したことにより、より客観的な結果となったと考えております」

 環境省は「提出データをいちいち疑えない」として、詳しい調査はしていない。

週刊朝日 2018年6月8日号記事抜粋




ペット業界の“すし詰め商法”に環境省が規制へ 飼育ケージをめぐる攻防.jpg
九州の繁殖業者のもとでも、繁殖用の犬はケージの中で飼育されていた。しかもここでは、一つのケージに2匹ずつ入れられていた


 今回、協議会が作成している資料には、欧州で「実験およびそのほかの科学的目的」に使われる犬のために導入されている飼養施設規制などが紹介されている。そして、それらよりも狭い「業界基準」の策定をめざすとも受け取れるチャート図が示されている。動愛法の週齢規制の時と同様、飼養施設規制を業界寄りの内容に着地させたい意図が透けて見える。

 先の16年6月作成の資料を見ると、今回の協議会には共立製薬、アイペット損害保険、インターズー、日本アニマル倶楽部、ゾエティス・ジャパン、アニコム損害保険の6社が「賛助会員」として名を連ねているのも特徴的だ。6社はいずれも、犬猫の飼い主と直接的な接点を持つ企業で、社会的な影響力が大きい。

 この6社に1.協議会に関わることになった経緯や理由2.賛助会員になった経緯や理由、賛助金額3.策定しようとしている業界基準への賛否などを尋ねる質問書を送り、期限までに4社から回答を得た。

 対面取材に応じたペット保険最大手のアニコム損保は、欧州の制度を数値的に下回る業界基準の策定を検討していることについて「そういう説明や話はあったが、まだ確定していないと聞いている。業界基準が動物を大切にするということと大きくかけ離れるのであれば、(協議会から)脱退することも検討する」(瀧澤茂雄・経営企画部長)としている。

 協議会作成の各種資料に目を通した日本動物福祉協会の調査員、町屋奈(ない)獣医師はこう指摘する。

「業界として、犬や猫が健全に繁殖や生活ができるような環境をつくっていくべきなのに、自分たち業界側の利益をいかに守るかを考えているように受け止められる。残念だ」

 協議会の活動目的などについて石山会長に取材を申し込んだが、事務局から「明確な話ができる段階ではない。申し入れはお断りする」との回答があった。

 環境相の諮問機関である中央環境審議会の動物愛護部会は、12年に動物愛護法を改正するにあたり、「現状より細かい規制の導入が必要」とする報告書を提出していた。同省は、今夏にも見直し議論が始まる次の法改正が行われる前に、飼養施設規制の導入に道筋をつける方針だ。

 これに対し、ペット業界は警戒感を強めている。

 業界の試算だと、英国並みの規制が導入された場合、繁殖業者らが大型のケージを導入するのに総額17億円以上の設備投資が必要になるという。経営環境が悪化し、子犬や子猫の生産能力が衰えることを懸念する関係者が少なくない。

 16年2月にはペット関連の業界団体を横断的に組織した新団体「犬猫適正飼養推進協議会」(会長=石山恒・ペットフード協会会長)が設立された。関係者は「ロビー活動のための新組織だ」と明かす。業界をあげて規制導入に対抗する狙いがあるとされる。

 独自に入手した、16年6月に同協議会が作成した資料によれば、ペットフード協会、全国ペット協会など10団体と業界関連企業6社で構成。各団体・企業で計約3千万円を拠出して運営資金にしている。

 海外の犬猫に関する法規制を翻訳したり、国内のペット店や繁殖業者の実態調査をしたりし、独自の「適正飼養指針」を作るのが目的とされる。資料には「環境大臣への説明」などの文言もあり、早ければ今冬にもロビー活動を始める計画のようだ。

 業界側がこうした活動に力を入れるのは、過去の“成功体験”があるためだ。12年の動愛法改正の際には、幼い子犬や子猫を8週齢(生後56〜62日)までは生まれた環境から引き離さないための「8週齢規制」の導入が検討された。この際、業界側は「自主規制していて、45日齢まで引き離していない」などと主張し、導入に抵抗した。その結果、米英仏独などで実施されている8週齢規制よりも低水準の「45日齢規制」を経過措置として(16年9月からは「49日」)改正法に盛り込むことに成功したのだ。

 今回、協議会が作成している資料には、欧州で「実験およびそのほかの科学的目的」に使われる犬のために導入されている飼養施設規制などが紹介されている。そして、それらよりも狭い「業界基準」の策定をめざすとも受け取れるチャート図が示されている。動愛法の週齢規制の時と同様、飼養施設規制を業界寄りの内容に着地させたい意図が透けて見える。

 先の16年6月作成の資料を見ると、今回の協議会には共立製薬、アイペット損害保険、インターズー、日本アニマル倶楽部、ゾエティス・ジャパン、アニコム損害保険の6社が「賛助会員」として名を連ねているのも特徴的だ。6社はいずれも、犬猫の飼い主と直接的な接点を持つ企業で、社会的な影響力が大きい。

 この6社に1.協議会に関わることになった経緯や理由2.賛助会員になった経緯や理由、賛助金額3.策定しようとしている業界基準への賛否などを尋ねる質問書を送り、期限までに4社から回答を得た。

 対面取材に応じたペット保険最大手のアニコム損保は、欧州の制度を数値的に下回る業界基準の策定を検討していることについて「そういう説明や話はあったが、まだ確定していないと聞いている。業界基準が動物を大切にするということと大きくかけ離れるのであれば、(協議会から)脱退することも検討する」(瀧澤茂雄・経営企画部長)としている。

 協議会作成の各種資料に目を通した日本動物福祉協会の調査員、町屋奈(ない)獣医師はこう指摘する。

「業界として、犬や猫が健全に繁殖や生活ができるような環境をつくっていくべきなのに、自分たち業界側の利益をいかに守るかを考えているように受け止められる。残念だ」

 協議会の活動目的などについて石山会長に取材を申し込んだが、事務局から「明確な話ができる段階ではない。申し入れはお断りする」との回答があった。

AERA 2017年1月20日号記事抜粋




 いま、私の実家には犬がいる。娘の強い希望で春休み中に1週間レンタルしているのだ。料金は9500円。1日につき約1400円で借りられるのだから、かなりオトクだと思う。

 今年になって、犬の1週間レンタルを実施するペットショップが増えているのに気がついた。ペットショップが、引き取り手がないまま大きくなってきた子犬をレンタルしているのだ。飼うのを迷っているのなら1週間ほど借りて犬との相性をみてみませんか、気に入ったら飼えますよというようなことなのだろう。

 なぜ子犬をレンタルする店が増えてきたかというと、おそらく不況でペットを飼う人が減り、犬がお店に残っているからなのではないかと推測している。

 さて私たちは最初、昨年亡くなってしまった実家の犬と同じ背格好(約3キロ)の小型犬を希望していた。それなのに私と娘は、店内で茶色のプードルと目があってしまった。もう1歳になるので身体が大きく、入っているオリがひどく窮屈そうで、身を丸めていた。

 この子を外に出してあげたい。私と娘は即決でこのプードルに決めた。彼はオリから出されたとたん、自分の身長以上かと思うほどに跳躍しまくった。家に連れていっても、久しぶりに自由に動ける喜びからか、うさぎのように跳ねまわり、一時もじっとしていない。

 最初の晩で母が、「前の犬よりずっと大きい(6キロ)し、ちょっと手に負えない」とこぼし、追い回されて疲れた娘は「当分犬はいい」とうんざりしていた。母など返却できないのかと真顔で私に聞いてきたほどだった。
 けれど翌日になると犬も家族も皆落ち着き、娘のひざで眠るくらいなついてきたし、そんな様子に娘もまんざらではなさそうだった。
 仲良くなれて一安心と思っていた2日目の晩、母が私にそっと耳打ちしてきた。

「情が移ったら別れるのがつらいから、明日にでも返してきてもらえない?」

 犬を中途で店に戻すことはできるし、気に入ったらその店の決めた値段で買い取ることもできる。ちなみにこの1歳のプードルは相場の3分の1だという。成長すればするだけ価格が下がっていってしまうのだ。

 さあ、7日目の朝に母が「このままこの犬飼いたいわ」と言い出すといいなと思っているけれど、どうだろう。

AERA 2013/4/ 1付記事抜粋




 インターネットを使って収入を得る方法はいくつもあるが、その中でヤフーオークションやユーチューブでは、専門知識がなくとも簡単に稼げる方法があるという。

『ヤフオク・モバオク達人養成講座』(共著、翔泳社)などの著書がある輸入代行業の山口裕一郎さんは、「慣れてしまえば月に10万円は稼げる」と断言する。

 もちろん、まとまったお金を稼ぐためには、高額で売れる商品を見極める“目利き”が必要となる。

「手始めに自宅で眠っているCDや本、洋服などを出品してみましょう。100品ほど試してみれば、どんな商品が高額で売買されるのかが把握できるようになるはずです」(山口さん)

 たとえば、1989年に限定生産されたサザンオールスターズのベストアルバム「すいか SOUTHERN ALL STARS SPECIAL 61 SONGS」(発売当時の価格1万円)は、現在は廃盤になっているため、3万〜10万円で落札されている“レア商品”だ。新品で未開封であれば、2011年に59万8千円で落札されたという例もある。

 インターネットコンサルタントの佐藤尚規さんは、動画投稿サイトのユーチューブを使った最新のネット副業術を勧める。

「ネットでの副業術としては、『アフィリエイト』や『アドセンス』が有名ですが、どちらも一定の金額を稼ぐには専門知識も時間も必要で、初心者にはハードルが高い。それよりもお勧めなのが、ユーチューブが12年4月に一般利用者向けにサービスを開始した、『YouTubeパートナープログラム』です」

 YouTubeパートナープログラムとは、利用者が投稿した動画の画面内や開始前に広告を入れられるサービスで、ユーザーが得られる収入は、「動画再生回数または広告クリック数×広告単価」で決まる。簡単な審査をパスし、著作権や支払い条件などの規約に同意すれば登録できる。

「飼っているペットのかわいいしぐさを撮影した動画などはネットで話題になりやすく、高額の収入が得られることもある。利用者のなかには、月額数十万円の広告収入を得ている人もいます」(佐藤さん)

AERA 2013年1月18日号記事抜粋




 ホームセンター「ジョイフル本田」(本社・茨城県土浦市)に非難が殺到したのは、今月半ばのことだった。矛先は、関東近郊の11店舗に設置してある「ドッグウォッシュマシン」。全自動で犬のシャンプーができるというものだが、これが物議を醸しているのだ。ネット上に動画がアップされたのが原因のようだ。

 ジョイフル本田ペットセンター事業部の担当者は、当惑気味にこう話す。

「『閉じ込められてかわいそう』『撤去してほしい』といったメールが数十通届きました。2004年に設置してから計2万3千回以上のご利用がありますし、今までこれといったご批判はなかったのですが……」

 はたして、このマシンはそんなに“キケン”な代物なのか。現場へ向かった。

 見た目はコインランドリーの大型乾燥機のよう。犬が入る空間は、幅110センチ×奥行き50センチ×高さ90センチほどで、扉は透明で中の様子がわかる。シャンプー液とシャワーは、壁と天井と床から、乾燥時の温風は天井から出てくる。液体と風の温度はともに35〜37度の設定になっているという。

 初めて利用するという男性が3歳のシバイヌを連れてやってきた。シャンプーが始まると、水しぶきで犬の姿は隠れてしまう。一瞬不安に思ったが、案外落ち着いていた。3分ほどでシャンプーが終わり、続いて25秒のすすぎ。その後に25分の乾燥が始まる。途中で停止することもできる。

「乾燥のときに気持ちよくて寝てしまうワンちゃんもいるほどです。これまで1千回以上見てきましたが、中止しないといけないほど暴れるワンちゃんはいませんでした」(ジョイフル本田ペットセンター店長)

 乾燥が終わって扉を開けても、シバイヌは座ったまま。マシンが気に入ったようにも見える。「だいぶ臭いが消えました」と、飼い主の男性も満足そうだ。

 このマシンを専門家はどうみるのか。苅谷動物病院(葛西橋通り病院)の白井活光(かつあき)院長に聞いた。

「狭い場所にストレスを感じる犬もいます。中に入れられて、ずっと足で扉をかいたり、ほえ続けているなら、注意が必要です。続ければ、シャンプーや飼い主と離れることが嫌になってしまう可能性があります」

 それでもマシンを使いたければ、中に入るだけでおやつをあげる訓練を何回かすることで、まずは狭い空間に慣れさせる、といった方法もあるという。

「基本的に犬は機械に入れて洗うような“モノ”ではありません。手洗いより、汚れも落ちにくいでしょう。それらをわかった上で、海に行った帰りに砂を落とすなど、補助的に使う分にはいいかもしれません」

 やはり、基本は愛をこめて手洗いということか。

AERA 2013年12月6日号記事抜粋




ふれあった動物がエサになる 残酷な「園内リサイクル」_1.jpg
週末は親子連れでにぎわう「なかよし広場」。「動物愛護法違反にはあたらないと考えている。ただ、『園内リサイクル』というのは不適切な言葉だった」

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ヒヨコは、エサにできる大きさまで成長したら殺される

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弱ればエサになるハツカネズミ。ヘビの生き餌になることも


 子どもに命の大切さを学んでもらう。そのために、犠牲になる動物たちがいる。ふれあい動物をエサにする、横浜・野毛山動物園の実態とは。

 JR桜木町駅(横浜市)から歩いて約15分、坂を上りきった先に横浜市立野毛山動物園はある。規模の小さな動物園だが、2012年度には99万人もの入園者があった。

 その園内に、小動物とふれあえる「なかよし広場」がある。主に子どもたちが、動物との接し方や命の大切さを学ぶために、設置されているという。だが、ふれあいに使われた動物たちがどんな運命をたどることになるのか、子どもたちに説明されることはない。

「園内リサイクル」

 職員がそう表現する現実が、動物たちを待っているのだ。リサイクルとは、ほかの肉食動物のエサになることを意味する。横浜市動物園課担当係長の恩田英治氏はこう説明する。

「弱っているもの、病気やケガで治療しにくいものをエサにする形で活用しています」

「活用」されているのはモルモット、ハツカネズミ、ヒヨコ。モルモットは年100匹前後が、ハツカネズミは年数百匹が、それぞれコンドルなどの猛禽類やアオダイショウなどのヘビ類に与えられる。またヒヨコは、生後3週間程度まで育った個体から順にすべて(年約2500羽)が、タヌキやテンなど中型哺乳類のエサとなる。

「ヒヨコはもともとエサとして仕入れている。小さい状態で納入されるので、成長するまでの期間を、ふれあい動物として使用している」(恩田氏)

 ヘビには「生き餌」として与えられる。それ以外は、職員が地面に頭部をたたきつけたり、首の骨を脱臼させたりして、殺してエサに。ふれあい目的で飼育している動物をエサにすることに、問題はないのだろうか。

「人道的な方法で一瞬で死ぬから苦痛はない。公表はしていないが、大人の来園者に聞かれたら説明しています。食育につながればいいと思う。今後もこの状態を続けていくつもりです」

 同園の松本令以飼育展示係長はそう話すが、動物園として異常な運用であることは明らかだ。都立の四つの動物園と水族園の事業運営を担う東京動物園協会の広報担当者は驚きを隠さない。

「そんな事例は、ちょっと聞いたことがない」

AERA 2014年2月24日号記事抜粋




カワウソ密輸の可哀相過ぎる実態 ペットブームが事件を招いた?.jpg
甘えん坊のコツメカワウソは、しっぽの先や指をおしゃぶりすることも。まるで人間の子どものようなしぐさをみせる


 コツメカワウソを密輸していた男らが外為法違反(無承認輸入)の疑いで警視庁に逮捕された。

 東南アジア原産のコツメカワウソは、国内では動物園や水族館でしか見ることができなかった。だが、テレビ番組に取り上げられたことで話題を呼び、ペットとして飼われている姿がSNSなどで紹介されるなど、その愛くるしいしぐさから人気に火がついた。

 同時に密輸も横行するようになった。昨年6月、小動物と触れ合う「コツメイト」(東京都豊島区)を営む、代表の長安良明さんの元に1本の電話がかかってきた。

「毎週のようにコツメカワウソが入ってくる。何頭か買わないか」

 電話の主は密輸業者だ。

「3頭連れてくると言っていましたが、現れた男は赤ちゃん2頭を売り込みに来ました。1頭は死んだとのこと。2頭も瀕死の状態でしたから。問い詰めると、密輸だと白状したのです」

 これが逮捕につながった。
 コツメカワウソを取り扱うあるペットショップでは、1頭約140万〜約160万円で取引されている。高額だが、問い合わせは多く、予約を入れて入荷を待っている客もいるそうだ。

 コツメカワウソは、絶滅の恐れがある種とされ、ワシントン条約で輸出許可が必要な動物に指定されている。だが、いったん国内に入ると、密輸なのか、国内で繁殖されたのか判別しにくいという。

 なかには「国内ブリード」をうたい、密輸の隠れみのとしているケースもあるようだ。

「現状、コツメカワウソの繁殖は、動物園でないと難しく、もし『国内ブリード』であれば、動物園からの販売許可証があるはずです。またはワシントン条約の書類が親のカワウソにあるはずです。それらの書類が提示できなければ、密輸が疑わしいでしょう」(長安さん)

 インドネシアから正規ルートを通過するコツメカワウソの首元には、マイクロチップを埋め込んで管理され、寄生虫予防の投薬などを済ませてから輸出される。

 だが、密輸の場合、親から引き離した生後まもない赤ちゃんを予防もせずに薬で眠らせてカバンに詰めて運ぶこともあるという。
 
インドネシア政府公認の保護施設から正規に輸入する長安さんによると、輸出許可の書類手続きや検査、などにかかる経費だけでも1頭50万円ほどかかる。長安さんは4年前、あるペットショップから「密輸であれば30万円で取引できる」と聞き、安値に目がくらみ、不正が横行しないかと懸念していた。

「密輸ブローカーは10頭中3〜4頭生きていればいいという計算をします。カワウソがかわいそうすぎる。国内の飼い主は入手経路をはっきりと確認してほしい」(同)

AERA 2/3(日)付記事抜粋




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「世界で一番かわいい犬」として人気を呼んでいたポメラニアンの「ブー」が死去した


「世界で一番かわいい犬」として人気を呼んでいたポメラニアンの「ブゥ」が今月、天国へ旅立った。飼い主がフェイスブック上で発表した。

ブゥは12歳だった。飼い主の投稿によると、兄弟の「バディ」が昨年死んだ直後から、心臓に不調をきたしていたという。

フェイスブックには「バディがいなくなって、文字通り胸がつぶれてしまったのでしょう」「それから1年以上がんばってくれましたが、寿命が尽きたようです。かれらは天国で再会して大喜びしたことでしょう」と書き込まれた。

フェイスブックでは1600万人がブゥをフォローしていた。飼い主は、ブゥが「世界中の人々に喜びをもたらした」と振り返っている。

ファンからは「知らせを聞いて涙が出た」などと悲しむ声が寄せられた。

ブゥは2012年、米格安航空会社ヴァージン・アメリカのペット大使に任命された。11年には写真集「BOO イヌのブゥのフォト日記」も出版されていた。

CNNは12年のインタビュー番組で、「有名になっても普段の生活はあまり変わらない」「家にいておもちゃで遊んだり、バディとじゃれたりするのが好き」というブゥの声を伝えていた。

CNN 2019.1.20付記事抜粋




犬を欲しがる我が子に父親がつきつけた過激な「犬を飼うにあたっての契約書」 _ 1.jpg

 ペットを飼うということは同時に大きな責任を負うことにもなる。動物たちは生きている。毎日の食事の世話から排泄物の処理、病気になったら看病も必要だし、病院にも連れていかなければならない。ペットにもよるが、犬や猫なら10年前後はずっと家族の一員として変わらない愛情接することが必要だ。

 正直なところ、多くの子供はその責任の重さを理解しないまま犬を飼いたがり、いざとなったら毎日の世話を嫌がるようになる。

 海外掲示板redditに、子供達に犬を飼いたいとせがまれた父親が、犬を飼うにあたっての契約書を作り自らそれを公開した。

 この父親はどちらかというと動物好きではないようで、家が汚くなることの方が重大問題だったようだ。手厳しい契約書でできれば子供たちに諦めてもらおうと考えたのである。

 この契約書に同意しない限り、子供達は犬を飼うことはできないのだ。

 これが実物の契約書なのだが・・・

犬を欲しがる我が子に父親がつきつけた過激な「犬を飼うにあたっての契約書」 _ 2.jpg

 かなり過激な内容となっているがもちろんジョークも含まれてることだろう。とにかく父親は自分で面倒を見たくないのと、家を汚されたくないようだ。




『犬を飼うにあたっての契約書』

家族全員が以下の全ての項目に同意すれば犬を飼うこととする

1. お父さんは何があろうと絶対に犬のウンチを拾わない。犬のウンチは子供達が、最低でも週3回以上片付けること

2. 犬がウンチをして良い場所は、庭の横だけ(フェンス側の岩があるところ)。犬が家の前や奥の芝生でウンチをしないことに家族全員が同意すること

3. 小型犬であること。体重は約7キロ未満とする

4. 毛が抜けない犬であること。一切の抜け毛を禁じる

5. 犬がヨダレや鼻水を垂らさせないこと。全ての関係者がこれを汚いものと認識すること

6. フローリングを傷つけないこと。爪をとても短く切る、歩く時はフットウェアを装着する、手術で足を切断するなど、床を傷つけないためならお父さんはもうどんな方法でもいい

7. お父さんは決して犬を洗わない。 そしてお父さんが「犬が臭い」と言ったら、子供達は24時間以内に犬を洗わなければならない

8. もし犬が家を傷つけたり、家の中を汚した場合、一般的な洗浄剤で汚れや臭気が落ちなければ、有害な化学物質の使用を認めること

9. 犬の名前を決める時は、お父さんに絶対的な拒否権がある

10. 犬のエサは、普通のドッグフードであること。オーガニック食材や高級ドッグフードやトリートは与えない

11. 犬は犬であり、「子供」や「きょうだい」とは呼ばないこと

12. クリスマスカードの家族名の欄に犬の名前は載せないこと。そして、クリスマスカードの写真で犬をメインにしないこと。犬が写るとしたら、わずかにその姿が確認できる程度でよい

13. 子供達はずっと犬を愛し、決して飽きたりしないこと。家族全員が犬の世話は、一生子供の責任であることを認識すること

上記の内容に同意します。

アミー
ジェシカ
ケーシー
サマンサ




 子供達はこの厳しい契約書にサインをし、結局父親は犬を飼うことを承諾せざるを得なかった。家族はその2週間後に犬を引き取ったという。というかこの父親、ツンデレタイプだったようで、犬が来てからというもの、実は犬にメロメロのようだ。

 以下は犬を引き取ってから2年後、父親が追記したエピローグである。


その2年後のエピローグ

 契約書に署名をした2週間後に、シェルターから3歳の白い毛の犬を引き取りました。体重は約7キロです。すでにしつけがされていて、家の中を汚したり、ヨダレや鼻水を垂らすこともありません。

 犬の名前は『カーショー』に決まりました(拒否権を発動する必要はありませんでした)。我が家にカーショーが来て2年になりますが、子供達(今は12歳、13歳、15歳になりました)はしっかり犬の面倒をみています。

 カーショーのエサはTrader Joe’s(トレーダー・ジョーズ、アメリカ・ロサンゼルス発のオーガニックスーパー)のドライタイプのドッグフードです。今のところ、危険な洗浄剤が必要なほど家の中を汚したことはありません。

 家族全員が我が家にやって来た犬を愛しています。(実は私も・・・)あ、でも新しい仲間であって、家族の一員とかじゃないからね!でもすごく幸せです。


karapaia 2016年08月09日付記事抜粋





交雑種サル、不妊手術か安楽死か 問われる人間の功罪.jpg
和歌山県内で捕獲された交雑種(和歌山県提供)。背景はかつてタイワンザルのいる動物園があった地区=コラージュ


 和歌山市周辺に最近まで、変わったサルが生息していた。タイワンザルとニホンザルの交雑種。いずれも見た目は似ているが、しっぽの長さが異なる。「日本在来の霊長類は、人間とニホンザルだけ。世界的にも貴重な環境は維持しないといけない」。霊長類学者たちは強調する。今は、交雑種もタイワンザルも姿を消した。和歌山県が捕獲して安楽死処分したからだ。
 「環境保全も研究者の重要な役目。積極的に県に協力して、わなを仕掛けて駆除しました。サルにはかわいそうでしたけど、仕方ない」。県に協力した京都大理学研究科の中川尚史教授は説明する。

 ■原因つくった側が生死判断

 タイワンザルが広がったのは、人間が原因だ。タイワンザルを飼育していた和歌山市付近の動物園が1950年代に閉園した頃、タイワンザルが逃げ出したと推測されている。2000年頃には数百頭のタイワンザルと交雑種が確認された。
 日本霊長類学会は、交雑種の拡大を危惧し、01年に県へ全頭捕獲と安楽死を求める要望書を提出した。
 和歌山県のサル問題は、通常の外来種の広がりとは趣を異にしていた。外来種が在来種を駆逐する訳ではないが、交雑が進むことでニホンザルの「純系」が失われることが懸念されるという点だ。ただ自然界では、近縁種の交雑は知られている。進化の過程では、種が分かれるだけでなく融合する現象も重要とされる。すべての交雑が忌避されるという訳ではない。
 ではなぜ、和歌山の交雑種の駆除が必要だったのか。大きな理由は一つ。人間が原因で交雑種が生じたからだ。人間は船や飛行機といった交通手段を手にして、自然な状態よりも圧倒的に早く動物を移動させられる。「現代の人間はかなりほかの動物とは違う存在。その人間の手が加わってできた新たなサルが日本に根付くのは自然を乱す」。中川教授は、説明する。
 駆除への反対意見が多く寄せられたこともあって、県は01年度、交雑種やタイワンザルに不妊手術をして飼育する案と、全頭を安楽死する案について県民にアンケートを実施。全頭処分が6割を占める結果となった。この結果を踏まえ、県は02年度から駆除を始め、17年度には同市周辺で根絶宣言を出した。

 ■守護者で仲間 二面性抱え

 和歌山県は市民の理解を得ることに苦労したが、05年には、日本の生態系に被害を及ぼす外来種の駆除などを盛り込んだ外来生物法が施行。外来生物に対するスタンスが、法律で定まった。環境省は「人為的な原因で入ってきた特定外来生物は、許可を出した場合をのぞき原則として殺処分対象」とする。現在、タイワンザルなど148種類が特定外来生物に指定されている。
 人間の場合、海を越えて自由に行き交うことは「多様性」の実現とされる。しかし人の手を介して海を越えてきたサルや、その結果生まれた交雑種は、殺処分の対象となってしまう。そこに釈然としない思いが残りはしないか。
 ニホンザルに名前を付けたり、チンパンジーの「心」を研究したり、日本の霊長類学には、人間もほかのサルたちと同じ「仲間」だという価値観が脈打ってきた。しかしサルの暮らす自然を守ろうとすると、事情は変わる。自然の一部であるはずの人間が、自然の守護者でもあるという側面が浮かんでくるのだ。もちろん
いずれの立場も重要だが、そんな人間の抱える二面性を、サルたちにじっと見られている気がする。



 1948年12月、今西錦司ら京都大の研究者が宮崎県の幸島でニホンザルの調査を始めたことから日本の霊長類学は始まったとされる。70年の歴史を刻む間、ニホンザルの芋洗い行動の発見からチンパンジーの「心」の解明まで世界をリードする成果を上げてきた。研究で明らかになった霊長類の多様な生態は、人間に何を教えるのか。「家族」や「平等」「暴力」といった現代人が抱える課題を、サルの視点から考える。

京都新聞 1/2(水)付記事抜粋




ペットになった元実験犬「しょうゆ」 獣医大生が譲渡願い出る 実験動物 酪農学園大 北海道江別市 1.jpg
三宅史さんに抱きつくしょうゆ


「こんなに元気なのに…」

 北海道内のドッグランで、雌のビーグル犬が弾むように走っていた。犬の名前は「しょうゆ」。10歳のしょうゆは2018年春まで、獣医大学で学生が麻酔や身体検査などを練習する実習用に使われていた元実験犬。高齢犬なので別の実験に使われる予定だったが、世話係だった女子学生の強い希望でペットとして譲渡されたのだった。(文化特信部・森映子)

 ◇ ◇ ◇

 しょうゆの飼い主は酪農学園大(北海道江別市)獣医学類6年生の三宅史さん(23)。三宅さんは4年の時からしょうゆの世話係として、えさやり、糞尿の始末、シャンプー、爪切り、散歩などを行い、「人が来ると、すぐ寝っ転がってお腹を見せるようなフレンドリーな性格」とかわいがっていた。

 以前から実習犬が高齢になったら、研究用に実験に使われ安楽死処分されるとは聞いていたが、今年3月にしょうゆが実験に使用されることを知った。「ショックでしたが、自分は無力で何もできないとも思い、せめて毎日散歩に連れ出してやろうと思いました」。翌日散歩でうれしそうに走っている姿を見て「こんなに元気なのにかわいそう。『私にできることは何でもやらなければ』という気持ちに変わり」、勇気を出して大学に引き取りを願い出た。

ペットになった元実験犬「しょうゆ」 獣医大生が譲渡願い出る 実験動物 酪農学園大 北海道江別市 2.jpg
初めて「お手」「お座り」などを覚えたしょうゆ


 しかし、当時しょうゆは犬の病気の実験に使う1匹として、学内の教員らで構成する動物実験委員会で実験計画が審査中だった。実験委の委員長を務める大杉剛生教授は「間もなく承認される予定だったから譲渡は難しい状況だった」という。その中で委員の一人の高橋優子准教授(獣医倫理学)が「自分が世話をしてきた犬には感情的なつながりができてしまう。引き取りたいと申し出ている学生がいるのにその犬を実験に使ってしまうことには疑問を感じる」と再考を求めた。


実験から外されることに

 そこで実験委は実験責任者の教員と実験データへの影響などを検討した上で、1匹減らすことを決めた。大杉教授は「われわれの世代は、実験動物は最後まで使うと教え込まれてきた。犬は大学が購入したもので、本来は実験に回すのが先。ただし、酪農学園大はキリスト教に基づく建学精神があり、今回は高橋准教授の意見、世の中の動物福祉の潮流など総合的に勘案しました」と述べた。今後、学生らから譲り受けたいという相談があればその都度対応するという。

 しょうゆがいる三宅さんの実家を10月に訪ねた。しょうゆは、史さんと母親の望さんのそばでごろんとお腹を見せて甘え、すっかり「三宅家の娘」になっていた。「お手」「お座り」も覚えた。望さんは「しょうゆは褒められたり、しかられたりしたことがなかったみたいで、何をしてもぽかんとしていました。でも、褒められる喜びを知ってからは、わたしたちを喜ばせようといろんなことを覚えましたよ」と目を細めた。

 近所のドッグランに連れていくと、くんくん地面や草の匂いをかいだり、史さん親子をめがけて走ってきたり、自由に動いていた。「両親はしょうゆを朝夕散歩に連れて行き、本当に大事にしてくれるので感謝しています」と三宅さん。獣医師になったら、「飼い主と相談しながら動物にとって一番いい治療法を見つけられるようになりたい」と思っている。

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ドッグランで。三宅史さんと一緒にうれしそうなしょうゆ


譲渡活動始めた企業も

 こうした譲渡事例の発表は「酪農学園大が初めてでは」と大杉教授。環境省の実験動物の飼養保管と苦痛軽減の基準に安楽死の定めはあるが、譲渡についてはない。実験動物の里親探しを積極的にやっている施設は非常に少ないとみられる。

 一方、欧米では製薬企業などが行っており、珍しいことではない。実験に使われた犬、猫、ウサギ、ブタなどを救い、里親を探す市民活動もある。

 実験動物の輸入販売会社「マーシャル・バイオリソーシス・ジャパン」(茨城県つくば市)の安倍宏明副社長は欧米の取り組みを知り、2016年から元実験犬の里親探しを始めた。安倍さんが顧客の製薬企業から犬を預かり、引受先を募っている。「体への負担が重い実験、解剖が必須となっている実験などは安楽死させる必要がありますが、必ずしも処分する必要のない実験もあります。健康面などで問題がなければ、家庭犬として幸せに暮らせます」

 長年人間に尽くした犬に第二の「犬生」を用意する意義は大きい。「譲渡できれば安楽死に関わる研究者、動物実験技術者らのストレスを減らすことにもなる。まだ実現できたのは10匹程度ですが、今後取り組む会社が増えていくことを願っています」と安倍さんは話している。

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お腹を出して甘えるしょうゆ


時事通信 12/23(日)付記事抜粋






RSPCAが発表したクリスマスパピーのウッディの動画。ウッディは汚くなると”オモチャのように”捨てられてしまう−





イギリスの動物福祉慈善団体のドッグトラストは12日、人々が犬を放棄するときの理由のいくつかを明らかにしました。

また、10人に1人がクリスマスプレゼントとして犬を買ったり受け取ったりしたとことも、同時に発表されました。


「ベジタリアンじゃないから」

ドッグトラスト(Dog Trust)は昨年のクリスマス後の1ヶ月で、5分おきに3,596回もの「犬を飼えなくなった」という電話を受けたそうです。その理由の中にはこんなものがありました。

・タダの旅行が当たったけど、犬は連れていけない
・私はベジタリアンだけど、彼は常に肉を食べたがる
・彼はエネルギッシュすぎ。痩せてしまった
・思っていたより大きくなった
・ビーグルについて知っていたら、飼わなかった
・抜け毛がひどくて、1日に1時間は掃除機をかけなきゃならない
・彼は常に私のことを見ている。食べてる時も
・クリスマスのサプライズギフトとしてもらったけど、犬を飼う余裕はない
・彼女はあまりにもフレンドリー。散歩で出会うすべての犬と人間に挨拶したがる
・パンティング(喘ぐこと)しすぎ
・洋服を着せようとすると嫌がる
・尻尾を振りすぎる
・家具に合わない
・一晩中、自分のベッドで寝る。てっきり一緒に寝てくれると思ってた


5人に一人が「かわいいアクセサリー」

ドッグトラストはあわせて、2000人の飼い主を対象とした質問調査の結果も発表しました。

・20%の飼い主が、犬を買う前のリサーチにかけたのは2週間未満であると回答
・5人に1人が、犬を買ったのは単に彼らが「かわいいアクセサリーだから」と回答
・10人に1人は、クリスマスのギフトとして犬を買った、または受け取ったと回答
・70%が、犬を飼う際に発生する費用を大幅に過小評価していた
ドッグトラストは、飼い主が飼育できなくなった、または放棄された犬のために新しい家を見つけるなどの活動をする団体です。イギリス全土の20のリホームセンターを有するこの団体は、多くの犬を救ってきました。

連れてこられる犬の中には、飼い主に大切に育てられていた犬もいます。飼い主側の環境の変化などにより、どうしても飼育できなくなった事情があるケースもあるのです。しかし一方で、おもちゃを捨てるかのように犬を捨てる人もいます。そしてそれは、クリスマスの後に特に多いのです。昨年、同団体がクリスマス後の1週間で受けた電話は約1000件。うち、子犬に関するものは約200件ありました。


犬はクリスマスのためのものではない

犬をクリスマスプレゼントにするという習慣は、なぜだかなくなりません。これはイギリスだけの問題ではなく、日本でも少なからず存在するものです。これらが問題視され始めてからすでに何年も経過しているにも関わらず、”クリスマスプレゼントの犬”を繁殖し、売買する市場は活況を呈しています。11月にはイギリスで100匹以上の子犬の密輸が発覚するというショッキングなニュースもありました。

ドッグトラストの最高責任者バルダー氏はこう語っています。「このクリスマスは、私たちが掲げるスローガン’A dog is for life, not just for Christmas’に気づいてもらえることを本当に願っています」

「犬を迎えることを検討している人は、犬が本当に自分のライフスタイルに合っているかを十分に検討していただきたい。(じっくり検討することで)犬の一生を支えることのリアリティを、十分に認識できると思います」

the WOOF 2017.12.22付記事抜粋




 心浮き立つ人が多いであろうクリスマスシーズン。家族や友人、親しい人にささやかな贈り物を計画している人もいるかもしれない。

 海外では、クリスマスプレゼントにペットを贈るケースもあって、突然箱から出てきた愛らしい動物に涙する感動の瞬間は人気のサプライズ動画の1つだ。

 だが、ドイツ全土の動物シェルターのほとんどがクリスマス期間中のペットの譲渡を禁止にしているという。アイルランドでも同様の取り組みを行っている。

 これはクリスマスの翌日や年明けに捨てられる動物を減らすための対策で、現場のスタッフたちが過去の経験に基づいて決めたことだという。


クリスマス時期にペットの譲渡を禁止

 ドイツ全土の動物シェルターでは、クリスマス期間中にペットの譲渡を中止している。その理由は年明けに「生きたクリスマスプレゼント」が捨てられるのを防ぐためだ。

 ドイツには犬や猫の生体販売を行っているペットショップはない。ペットが欲しい時は、シェルターから引き取るケースが多い(もしくはブリーダーから)

 この禁止期間は今週から今年いっぱい(欧米ではこの時期から大晦日までをクリスマスシーズンとみなす国が多い)にかけて実施される。

 動物シェルターのスタッフたちは、毎年1月になると放棄される犬、猫、その他の小動物の数が最も多くなることに気づいたためこの対策を導入したという。


クリスマスの期間が終わると捨てられるペットが多くなる

 この対策についてドイツの動物シェルターの管理者は「クリスマスプレゼントになったペットは、祝祭ムードが終わって普段の生活が始まる頃によくシェルターに捨てられます」と語る。

 また他のシェルターのスタッフも、これまでクリスマスイブが過ぎると捨てられた動物を回収することがよくあった、と打ち明ける。


同じ対策がアイルランドの団体でも

 こうした対策はアイルランド最大の動物シェルターのDogs Trustも行っており、来週から中止期間に入るという。

 Dogs Trustもまた、1年のうち犬を手放したがる人の数が最も多いのが1月だと気づいたのだ。

 この慈善団体はその期間を12月16日から1月5日に定めているが、一部の施設では犬の引き取りを検討している里親の訪問を考慮に入れて再開を決めるという。

 もちろん全ての人がそうじゃない。

 一生面倒を見ることを誓い、計画をたててこの時期に飼おうと決断する人もいる。だが、無計画に動物を引き取る人のほうが多いのだ。


犬はクリスマスのためのモノじゃない

 Dogs Trustの役員は、特にクリスマス明けの数カ月に犬を放棄する人の多さに胸を痛めている。

 「私たちはちょうど40年前に 'A dog is for life, not just for ChristmasR'(犬はクリスマスのためのモノじゃない)という言葉を掲げましたが、これがいまだに通用するのが悲しいです」

 つねに保護犬たちと向き合い、永遠の家族が現れるよう祈るスタッフが望むのは、お祭り気分のついでではなく時間をかけて熟考する飼い主だ。

 彼らは「気まぐれな飼い主」を回避し「聖夜の贈り物にされ、すぐに飽きられ捨てられる一時的なペット」を減らす努力を続けている。

References:dailymail / rtlなど /written by D/ edited by parumo 2018年12月14日付記事抜粋




 公益社団法人アニマル・ドネーション(アニドネ)代表理事の西平衣里です。連載5回目は保護された犬や猫を引き取るときにクリアしなければならない譲渡条件について、お伝えしたいと思います。

 犬猫と暮らそうと思ったとき、「保護される犬猫が多くいることはなんとなく知っている、だけどどこで出会ったらいいのかわからない」という声はとてもよく聞きます。ですので、連載2回目の記事に譲渡会のことを紹介しました。

 その譲渡会に行った後に聞かれる声が、こちら。

「私は条件が合わなかったの。引き取りたいけど、難しいかも」と。

 保護団体さんがそれぞれに決めている譲渡条件とは、どんな内容なのでしょうか。


引き取りたくてもできない?

 2017年にアニドネと横浜商科大学との協働プロジェクト「HOGO animal future project」が発表したリサーチ資料に、以下のような質問があります。

Q.保護動物の存在を知っていたのに引き取らなかったのはなぜ?

1位は「検討していない」
2位は「条件的に引き取らせてもらえなかったから」
3位は「犬・猫の見た目が好みではなかったから
4位は「保護施設のことがよくわからないから」
5位は「引き取るまでの過程がわからないから」

 そもそも「検討していない」が90%にも上っています。ですから、保護犬猫を引き取ることを検討する人を増やすことはとても大事なことです(私が執筆している、この連載の狙いでもあります!)。けれども、保護動物と暮らす気持ちはあったけれども、あえなく諦めてしまった方が40%近くに上ることも別の局面からの問題だと思うのです。


家族構成やライフスタイルが問われる

 アニドネでは、現在支援をしている16の認定団体のうちの9団体が保護活動をされています。その団体さんの譲渡条件をざっとまとめてみました。

1、 家族構成(子供の有無・年齢、シニア、学生、同居、独身 等) 
2、 ライフスタイル(職業、収入、住所、転居の有無、旅行や入院時の対策、緊急時のための後見人必須 等)
3、 エビデンス:身分証明書、名刺、写真撮影、譲渡後の定期報告義務
4、 動物福祉:飼育方法(屋内か屋外か、散歩の回数、留守番時間)、飼育環境(段差か階段について、脱走防止柵について等)、不妊去勢手術の義務、マイクロチップ装着の義務、終生飼養

 すべての団体さんが上記条件を必須としているわけではありません。また上記以外にも独自の条件を設けている団体さんもあります。

 そして、譲渡条件は民間の保護団体だけが設定しているわけではないのです。「動物保護センター」や「愛護センター」「保健所」と呼ばれている行政の施設でも譲渡条件があります。

 一例として横浜市動物愛護センターの条件をご紹介しますと、例えば、万が一継続して飼育できなくなった場合に備え代わって飼育できる方の誓約書が必須、マイクロチップの装着報告、センター長との面談、も必要となっています。

 多くの行政施設が、譲渡前に受けなければならない飼育講習を実施しています。


条件満たして譲渡成約、10組に1組未満

 アニドネの支援先である「特定非営利活動法人 日本動物生命尊重の会(通称アリスの会)」の代表でおられる金木洋子さんにお伺いしてみました。アリスさんは、引き取りたいと思う方が少ない中型犬やミックスの犬をメインに保護し、飼い主を見つける活動をしています。数ある譲渡条件の中で、まずはなにを重視しているのか、を聞いてみました。

1、お留守番が少ないこと・・・犬の場合せいぜい4、5時間
2、飼育環境が犬猫に負担がないこと・・・例えば犬が暮らす場所は1階
3、手作りご飯であること・・・簡単なメニューで大丈夫

 上記3つが可能なのかを、最初に確認されるそうです。その後、ライフスタイルや家族構成を細かく聞き、直接会ってお宅に伺い、そしてお試し期間を経てやっと譲渡決定という流れになります。

 この流れに沿って譲渡成約となるのは10組に1組もいない、そうです。


「犬や猫につらい経験を二度とさせたくない」

「どうしてそこまで?」と聞くと答えはひとつ「二度と同じ経験を犬猫にさせたくないから」。

「保護された犬猫たちは、みなつらい思いをしています。けっして快適とは言えない行政施設に収容され処分間近でレスキューされた命。助けられなかった命もある中で、レスキューされた犬猫たちの第二の犬生猫生はいいもの、いや最高のものにしてあげたい。

 だから『そこまで厳しくしなくても』と言われても譲渡条件にはこだわりがあります。これまで25年間保護活動をしてきて、必要だと考えることが条件に入っています。」

「あとは、子犬や子猫なら新しい環境にすぐなじみますが、成犬成猫となるとそうはいかないんです。過去の暮らしもあるし、その子それぞれの個性や好みもある。例えば、過去の経験からか、男性がダメな犬、トイレを失敗したら失神してしまう犬、色々とあります。次に暮らすならば、その子たちそれぞれのストレスを取り除き、安心して暮らせるご家庭を探してあげたいのです。

 そのためでしたら、すぐに譲渡が決まらなくてもいいと思っています。ですので、アリスの子たちは1年以上、一時預かりさんの家で過ごしている子もいます。きっといつかいい出会いがある、と信じ焦らずに待ちます。実際、たくさんの病気を持っていて、年齢が高い子も引き取ってくださる方もいます。過去に一緒に暮らしていた子に似ている、という理由が一番多いですね」

 手作りご飯はなぜでしょうか?と聞いてみました。

「はい。こちらもこだわりたいんです。やはりおいしくて身体にいいものを食べさせてあげたいじゃないですか。そんなに難しいことではないですよ。レシピはお教えします。旅行のときなどはドッグフード持参でもいいと思っています。

 だけど日々の生活では犬猫に食事の面でも愛情をかけてあげられる気持ち的にも時間的にも余裕のある方に譲渡したいと思っているんです。毎回の食事を楽しみにする犬猫の顔はとてもかわいらしいものですよ!」


譲渡条件は「犬猫と幸せに暮らすためのチケット」

 どうでしょうか、みなさん。「2頭目は保護犬を!」と思っていたけど、諦めますか?「いやいや、私は大丈夫!」でしょうか?

 もし、今あなたが犬猫と暮らしたい!と思っているならばペットショップに行けば、その日から犬猫との暮らしが実現します。ペットショップで衝動的に出会い、その後幸せに暮らしている飼い主さんやペットも多くいるので、否定するつもりはありません。

 かたや、保護動物との暮らしを選ぶ際には、数々の書類や面談、現地確認、トライアル期間を経て、ということになりますから、手間や労力という部分では比較にならないでしょう。それでも、保護犬猫を選びますか?

 私は思います。譲渡条件というのは、犬猫と幸せに暮らすためのチケットみたいなもの、と。

 今は元気かもしれないけれど、歳を重ねた犬が病気になったら(ちなみに犬猫には国民保険はありません。民間の保険のみ)高額となるかもしれない医療費が払えるのか?数年後、海外転勤もあるかもしれないがそのとき連れていけるのか?現在、お子さんがいらっしゃるご家庭で子供のためにも犬を引き取りたい、だけど来年には兄弟が産まれる、そのときに毎日のお散歩は誰が行けるのか?

 アリス代表の金木さんにぜひ書いてほしい、と言われたことがあります。保護犬を迎えたご家族のエピソードです。先代のイヌは庭で飼育していたそうです。今回保護犬を迎えるにあたり、アリスさんの要望で室内飼いにして手作りご飯にしたところ、犬のかわいさが全く違うと。

 近くにいると犬の気持ちもよく分かり、犬も落ち着いているから迷惑行動(ほえなど)がほとんどない、何よりご自身の愛情のかけ方が変わり「前の子にはかわいそうなことをした」ともおっしゃっていたそうです。

 私は、保護犬猫を引き取るための過程ということは、まず私たちの意識を変えること、そしてひとつの命を引き取る覚悟が試されているのだな、と考えます。いろいろな条件に対して自分はどうなのか、をひとつひとつ深く考える機会になると思います。

 そして、その過程を経て訪れるペットとの幸せな暮らし、これは何物にも代えがたいあたたかく素晴らしいものです。あなたが考え抜いて選んだ暮らしは、犬猫を幸せにするだけではなく自分にも幸せがもたらされるのですから。

sippo 12/7(金)付記事抜粋




 ゲージの中をフサフサの毛並みで元気よく動き回る犬たち。そのかわいらしい鳴き声に、訪れた子供たちはつられて笑顔になる。その様子を見ていたタレントのぺこ(23才)とりゅうちぇる(23才)は飛び上がって喜んだ──。

 これは、2017年4月に放送された、人気のバラエティー番組『天才!志村どうぶつ園』(日本テレビ系)の名物企画「捨て犬ゼロ部」。保護犬たちが里親を探す譲渡会の様子だ。ふたりが訪れたのは、広島県の神石高原町にあるNPO法人「ピースウィンズ・ジャパン」が運営する “殺処分ゼロ”プロジェクト「ピースワンコ・ジャパン」の本拠地。清潔な施設の中で、保護された犬たちは元気いっぱいに走り回っている…はずだった。

「テレビに映ったのは施設のほんの一部だけ。ピースワンコ・ジャパンは大きく広島県内で4つのシェルターに分かれており、前出の施設は誰もが見学できるうえ、里親が見つかりそうなフレンドリーな犬ばかりを集めた、いわば“表の顔”。公開されていない施設では、狂犬病の予防注射すら打たれず、狭い檻の中で悲鳴を上げる保護犬たちがいたんです」

 怒りに震えながら話すのは、昨年6月から今年1月まで、獣医師としてピースワンコ・ジャパン(以下、ピースワンコ)のサポート活動をしていた竹中玲子先生だ。

 竹中先生が指摘する通り、11月20日、広島県警は「ピースウィンズ・ジャパン」と代表らを書類送検した。保護犬25頭に狂犬病の予防注射を受けさせておらず、狂犬病予防法や県の条例違反の疑いがあるという容疑で、代表らはこれを認めている。

 竹中先生は「同団体が抱えている問題はこれだけではない」と続ける。

「私がいた保護施設は劣悪な環境で、多くの命が次々に失われていきました。カメラが回っていないところでは、動物虐待が起きていたのです」

 内部からの声を受け、複数の動物愛護団体が動物愛護管理法違反でピースワンコを告発。その内容は、狂犬病の予防注射の未接種だけでなく、劣悪な飼育環境かつ、職員の絶対数や器具が足りず充分な処置ができていないことなど、あまりにも悲惨なものだった。

 なぜ犬たちにとって保護されるべき場所が生き地獄と化したのか。実態を知る竹中先生と、動物愛護活動に長年携わり、今回の告発に名を連ねる杉本彩(50才)が語った。

◆赤ちゃん犬が飢えた犬に食べ散らかされる

竹中:「犬の殺処分ゼロ」を看板に掲げるピースワンコは、毎週のように広島県の保護施設から犬を引き取るから増えていく。6月時点で団体が管理する犬は2300頭。

杉本:国内では類を見ない収容規模ですね。それだけの頭数に対し、面倒を見るスタッフは何名いるのでしょうか?

竹中:4つのうちの1つのシェルターでは当時1400頭いて、スタッフは7〜8名だったので、1人のスタッフが約200頭を世話する計算でした。また、常勤の獣医はたった1人。収容数も限界で、約10畳の広さに20頭以上の中型犬が収容されている部屋もありました。

──事実関係をピースワンコに問い合わせると、《事実と異なります。常勤の雇用スタッフ以外に応援スタッフや外注の清掃業者スタッフら複数名が毎日の各犬舎の業務に携わっています。獣医療についても、常勤の雇用獣医師は1名ですが、他に継続的に業務委託している獣医師がいるほか、近隣の複数の動物病院にもご協力いただいています》という。

 対して竹中先生はこう反論する。

「確かに非常勤の獣医師はいましたが、数人であり、充分とはいえない状況でした。また、“近隣の動物病院”といっても歩いて行ける距離にはなく、スタッフが車で動物を連れて行く必要がありました。緊急事態に対応しきれていなかったと思います」

杉本:動物の福祉にまったく配慮していない状況ですね。狭い部屋に押し込められれば、精神状態が不安定になる。さらに動物を保護して里親を探し、責任を持って譲渡するのは、本来はとても手間がかかる。1頭でも大変なのに、2000頭以上の犬をどう譲渡していくのでしょうか。

竹中:譲渡はかなり厳しい状況にあります。そもそも収容されている犬の多くは元は野犬。中には、噛み癖がある子もいて、人に慣れさせて里子に出すには難しい犬がほとんどです。エサは部屋ごとにまとめて与えていて、弱い犬はエサにありつけず衰弱してゆく。スタッフが部屋に入ると、集団リンチが頻繁に行われ、弱い犬が噛み殺されている。

杉本:ある意味、殺処分されるよりも苦しい状況になってしまっていますね。

竹中:まさにそう。避妊去勢手術がほとんど行われないままオスとメスが同居しているから、スタッフが知らないうちに赤ちゃんが生まれていることすらある。そのうえ、小さくて弱く、血のにおいのする赤ちゃんは飢えた他の犬に食べ散らかされてしまう。肉片を片付けるスタッフの多くが、PTSD(心的外傷)を発症していました。

杉本:それは…。先生もつらかったでしょう…。

竹中:獣医としてこれまで動物の死に立ち会いましたが、本来死ななくてもよかった犬を見ているとショックで…。記録を残すために死体を調べるのですが、噛まれたことによる外因性ショック死や失血死した犬ばかり。暗い気持ちに襲われました。

──集団リンチに関する事実関係をピースワンコに取材すると以下の返答があった。

《早朝など人の目が届かないときに、野犬どうしがけんかをしたり、弱い犬がいじめられたりして、残念なことに死に至るケースもありました。(中略)しかし、それは、殺処分を防ぐためにすべての犬を引き取ってきた結果、やむを得ず生じている状況です》

 しかし竹中先生は、「同居している犬からの攻撃によって体に穴が開いて亡くなる状態は、動物にとって殺処分されるよりも幸せだといえるのだろうか」と疑問を投げかける。

女性セブン 12/7(金)付記事抜粋





【お知らせ】『女性セブン』『週刊新潮』の報道について

12月6日発売の一部週刊誌に、当団体のピースワンコ・ジャパン事業に関する記事が掲載されました。記事は、私たちの活動に疑念を生じさせようとする意図に満ちたものであり、たいへん残念です。多くの方々にご心配とご迷惑をおかけしたことを、心からお詫び申し上げます。
私たちの活動を通じて、最近は毎月50―60頭の保護犬が温かいご家庭に迎えられており、これまでに譲渡・返還できた犬は計1245頭になりました。そのなかには、野犬だった犬や、重い病気やけがを抱えていた犬も多くいます。決して楽ではありませんが、ガス室で行われる残酷な殺処分から救える可能性がある限り、今後ともすべての命を救うために全力を尽くす決意です。
以下、記事に書かれた内容の一部について、私たちの見解を説明させていただきます。

■犬の飼育環境について
記事では「『1人で約200頭飼育』の劣悪三昧」との見出しを掲げ、1400頭の犬に対しスタッフが7、8名しかいなかった、という獣医師の話を紹介しています。しかし、保護犬の飼育には現在、雇用や委託等の契約関係にあるスタッフが計100人以上携わっています。1人当たりの頭数は平均26頭で、「1人で約200頭」というのは著しく事実と異なる数字です。さらに、このほかにも、神石高原町の保護施設と全国7カ所の譲渡センターで、1日30−40人の方にボランティアとして携わっていただいています。
この点を含め、犬の飼育環境等については、今年9月にホームページで公表した見解に詳しく記しておりますので、そちらをあわせてお読みいただければ幸いです。

https://peace-wanko.jp/news/1697

なお、記事によれば、複数の動物愛護団体が当団体関係者を動物愛護管理法違反で告発したとのことですが、当団体は直近では11月の広島県による立ち入り調査でも、犬の飼養管理の状況について特段の問題がないとの評価を受けております。引き続き飼育環境の一層の向上に努めます。

■狂犬病予防注射等について
すでにホームページ上でもお伝えしました通り、過年度において、感染症の予防対策などに追われ、保護犬の一部に対する狂犬病予防注射が一時的に遅れる状況が発生しましたが、今年度は法令通り遅滞なく接種を進めております。また、今年2月、犬舎から12頭の犬(狂犬病予防注射はすべて接種済み)が脱走しましたが、うち8頭をこれまでに捕獲し、各犬舎に脱走防止のための柵や金網などを取り付けるなどの再発防止策を講じました。
これらの問題については深く反省しており、経緯や現状をそのつどホームページでご説明しております。今後とも法令を順守し、保護犬の適切な飼育管理に全力で取り組みます。

https://peace-wanko.jp/news/1490

https://peace-wanko.jp/news/985

■会計報告について
当団体は、NPO会計基準に詳しい公認会計士の指導を受けて会計報告を作成し、外部監査も受けております。会計報告に「その他経費」として計上した約3億3500万円は、▽譲渡促進や普及啓発、支援者コミュニケーション等のための啓発教育・広報費約1億9500万円▽施設の修繕費や廃棄物処理等の費用約3600万円▽施設で使用する備品費や消耗品費約3100万円▽犬舎や事務所の水道光熱費約1900万円▽譲渡会の会場費や設備費約1900万円などの費用の合計額です。
詳細は、会計報告の補足説明をご参照ください(記事では、ピースワンコ事業の2017年度の会計報告について、8億円の経常費用のうち3.4億円が使途不明金だとしていますが、当団体はすべての支出について適正に管理・記録し、公認会計士による監査を受けております)。

https://peace-winds.org/about/pdf/PWJ_2017additional.pdf

私たちは今後とも、日本中で「殺処分ゼロ」を実現することを目標に、犬の保護・譲渡活動に誠心誠意取り組む所存です。引き続きご理解とご支援を賜りますよう、よろしくお願いいたします。

特定非営利活動法人ピースウィンズ・ジャパン


特定非営利活動法人ピースウィンズ・ジャパン 2018/12/05付ホームページ内[お知らせ] 抜粋





犬の殺処分ゼロ目指す日本最大NPOに捜査が入った理由 命守るため覚悟の全頭引き受け

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PWJが保護した子犬たち

犬の殺処分ゼロに取り組む特定NPO法人「ピースウィンズ・ジャパン(PWJ)」が6月25日、狂犬病予防法をめぐり、広島県警の捜査を受けたと発表した。難民支援に始まり、日本最大級の犬の保護団体でもあるPWJで何が起こったのか。


始まりは災害救助犬の育成

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PWJが育てた救助犬が災害現場で活躍している

PWJは難民支援を目的として1996年に設立され、その後、国内の被災者支援、過疎地域の再生などに活動を広げてきた国内最大規模のNPOだ。

犬の殺処分ゼロを目指す事業「ピースワンコ・ジャパン」を始めたのは、捨て犬から災害時の救助犬を育てられないかという発想からだった。


「人の命だけじゃない」

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ピースワンコ事業の拠点の一つ

捨て犬や野生犬が集められる県の動物愛護センターを訪ねた大西健丞代表理事は、そこで、二酸化炭素で窒息死させられる殺処分の残酷な実態を知った。

「守らなければならないのは、人の命だけじゃない」(大西氏)

準備期間をへて、2013年に始めたのがピースワンコ。本部のある広島県神石高原町を中心に約7万平方メートルの用地に日本最大級の犬の保護シェルターを建設し、2018年6月現在、約2400頭を飼育している。


全国ワーストから殺処分ゼロへ

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広島県の犬の殺処分はゼロを達成した

広島県は2011年度に犬・猫を合わせた殺処分数が8,340頭(犬2,342頭、猫5,998頭)で、全国ワーストを記録していた。飼い主が捨てたり、野生で生まれ育ったりした犬猫が動物愛護センターに集められ、窒息死させられる。

PWJはそれらの犬を処分前にセンターから引き取り、病気であれば治療し、散歩や餌やりなど人間と触れ合う訓練をし、引き取り手を探して譲渡してきた。

2013年に始まったピースワンコ事業によって、広島県の殺処分数は急減。2016年度からゼロを達成している。


冷暖房完備、動物たちの楽園

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敷地内で犬と散歩するスタッフ

保護とは名ばかりの狭く不衛生な施設に押し込むのではなく、犬舎には冷房や床暖房が設置され、併設した医療施設で常駐の獣医が検査や治療にあたる。運動不足を防ぎ、散歩の訓練をするためのドッグランも設けられている。

犬の世話をするスタッフは89人。ボランティア登録者は300人以上で、常時約70人が散歩などの手伝いに来ている。

牛やヤギなど「人間に殺されそうになったいろんな動物」(大西氏)が飼育されている広大な敷地を散歩する姿がいたるところにある。


莫大な経費を支える寄付

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以前あった脱走事件の教訓を受けて、フェンスも強化した

犬にとって快適な環境を保つために、経費も莫大だ。2017年度の主要な支出だけで、以下のようになっている。

犬舎の光熱費や譲渡センターの維持費:7800万円
犬舎の建築や譲渡センターの開設費など:2億3900万円
スタッフ人件費、事務所運営費:2億4200万円
医療費:9100万円
餌代など:4400万円

これらを、ふるさと納税と会費や寄付金でまかなう。知名度が高く、大規模事業の運営ノウハウがあるPWJならではの手法だ。


「最後までできるだけ幸せに」

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2400頭全てに名前がついている

全国ワーストだった広島県での殺処分をゼロにするため、県内の愛護センターからほぼ全ての犬を引き取った結果、受け入れ頭数は2015年度161頭、16年度1392頭、17年度1810頭と急増した。

引き取った段階で健康状態が悪かったり、野生で育って人に慣れていなかったりする犬もいる。治療や訓練をし、譲渡するまでには時間がかかる。

PWJに来たときにすでに高齢で、シェルターで一生を終える犬もいる。「そういう犬も処分されるのではなく、最後までできるだけ幸せに生きて欲しい」とシェルター担当マネージャーの安倍誠さんは話す。

譲渡される犬だけでなく、引き取り手のない高齢の犬も、散歩や餌やりなど大切にされている。


想定を超えた保護頭数

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予防注射

今回、広島県警が捜査に入ったのは、狂犬病の予防注射に関するものだ。PWJによると、想定を超えるスピードで保護頭数が増えたことで、昨年度、一時的に注射が追いつかない事態が発生した。

殺処分をゼロにするためには、愛護センターからほぼ全ての犬を引き取る必要がある。それだけの犬舎を揃えたとしても、2000頭を超える犬に注射をする獣医が足りなかった。

PWJでも問題を認識しており、捜査が入った2018年6月の段階では、外部の獣医の協力を得て、全頭への予防注射を完了させたという。


「受け入れなかったら、殺される」

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犬の性格まで細かく記されている

今回、警察の捜査を受けたことで、県議会などで管理体制を疑問視する声が出る可能性がある。その結果、愛護センターからPWJへの引き渡しが一定期間でもストップすれば、センターの収容数の限界から殺処分が再開されるかもしれない。

大西代表理事は管理体制が十分ではなかったことを認めた上で、こう話す。

「想定を超える受け入れ数になり、現場が大変になることはわかっていた。それでも全頭を受け入れてきたのは、そうしないと殺されるから。一時的に注射が追いつかなかったのは事実で、反省をしている。その上で、これからも受け入れ続けるために体制は強化した」


譲渡数は年間500頭越えへ

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里親に引き取られる保護犬

実際にPWJでは今も犬舎の増設が進み、人員体制を強化した。

PWJの保護シェルターから全国の里親への譲渡数も年々増えている。2015年度は107頭、16年度は198頭、17年度は348頭、今年度は500頭が目標だ。

引き取り希望者は広島県内や関東にある譲渡センターでスタッフと面談し、スタッフが家庭訪問をして飼育可能かを確認した上で譲渡している。

譲渡数の増加とともに、保護頭数の増加にも歯止めがかかる見通しだという。

BuzzFeed Japan 6/26(火)付記事抜粋




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 昨年から今年にかけて、残虐な動物虐待のニュースが続いている。5月8日にも、滋賀県長浜市で首に麻のロープが巻かれた猫の死骸が見つかった。5月6日には千葉県船橋市で、子猫の頭部と、尻尾が切られた子猫、頭部や前足が切られた子猫とみられる3匹の死骸が発見された。船橋市では昨年12月にも、頭部のない猫とみられる肉片が見つかっている。

 さらにネット上の巨大掲示板「5ちゃんねる」の「生き物苦手板」などでは、虐待動画・画像へのリンクが多数貼られ、虐待体験やその手法などが“妄想”という建て前で書き込まれ、野放し状態にあることが問題となっている。


どんなにひどい虐待をして殺しても、実刑はほとんどつかない


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2017年12月12日、元税理士の判決後に会見する杉本彩・Eva代表理事(左)。今国会で審議される動物愛護管理法改正について、多くの提言を行っている


「いまの動物虐待に対する刑罰は、軽すぎます」

 こう語るのは、動物環境・福祉協会(Eva)の松井久美子事務局長。代表は女優の杉本彩さんがつとめている。昨年、Evaは13匹の猫の虐待・殺害を行った元税理士の初公判と判決を傍聴した。

 この元税理士は、熱湯を何度もかける、ガスバーナーで焼くなどの方法で13匹の猫を殺す過程の動画を、ネットの掲示板に投稿していた。その動画は一部で「芸術作品」と賞賛され、今もネット上にアップされている。

「私たちはその判決を聞いて愕然としました。懲役1年10か月・執行猶予4年。あれだけ残虐な方法で殺したのに、実刑にはなりませんでした。彼は今までと変わらず普通に生活している。2匹の猫の虐殺動画を投稿した元契約社員に至っては、略式起訴となり罰金たった20万円で済んでいるんです。

 動物虐待は、見逃せばどんどんエスカレートしていきます。現に元税理士も『動画を投稿したら掲示板で持ち上げられ、虐待がエスカレートした』と語っています。これだけ刑が軽いと、再犯の可能性も高くなるのではないかと危惧します」(松井事務局長)

 現在の動物愛護管理法(動愛法)によると、動物を殺傷した場合には「2年以下の懲役または200万円以下の罰金」。動物を遺棄・虐待した場合は「100万円以下の罰金」となっている。つまり、どれだけひどい虐殺をして何匹の動物を殺したとしても、初犯で実刑となることはほとんどない。

「警察庁も動物虐待について深刻な犯罪だと認識していますが、法定刑がより厳しい他の生活経済事犯の取り締まりに人員をとられてしまい、動愛法事案にまで手が回りません。だからこそ、これを全体的に厳罰化することが必要です。残虐に殺した者は、実刑になるようでなければ。今のままでは、動物の命が軽すぎます」(同)

 Evaでは今国会で審議される予定の動愛法改正に際して、動物を殺傷した場合には「5年以下の懲役または500万円以下の罰金」、動物を遺棄・虐待した場合は「3年以下の懲役または300万円以下の罰金」に引き上げるよう求めている。


動物虐待事案を専門的に扱う、アニマルポリスの設置を


さらにEvaでは、「アニマルポリスの設置」を提言する。

杉本彩も怒り。猫13匹を虐殺して動画をのせた男の軽すぎる刑罰_3.jpg
Evaは、動物虐待の厳罰化とアニマルポリスの設置を求める署名活動を行い、衆参両議長に請願として提出した


「現在の警察には、動物に関する専門知識を持って捜査できる体制がありません。イギリスやアメリカ、オランダなどでは、動物虐待事案を専門に捜査する部門、通称『アニマルポリス』が設置されているんです。警察ではなく、捜査・逮捕権限を持った民間の機関が行っている場合もあります。

 このアニマルポリス設置によって、捜査をすばやく着実に行え、虐待だけでなくネグレクト(飼育放棄)も取り締まることができます。また専門の部署ができることで、一般市民が虐待を目撃したときに対応する窓口にもなります」(同)

 Eva代表の杉本彩さんは、これまで、日本でのアニマルポリス設立のため署名活動などを行ってきた。その成果が実り、兵庫県県警が2014年1月から「アニマルポリス・ホットライン(動物虐待事案等専用相談電話)」をスタート。全国で初めて、動物の遺棄や飼育放棄、虐待などを見つけた場合に通報するための専用窓口ができたのだ。これはまだほんの小さな一歩ではあるが、動物虐待をなくすための着実な一歩だ。

「何よりも大事なのは、動物を“物”ではなく“命”と考えること。人間の生活は、動物のおかげで助けられている部分がたくさんあります。言葉が話せない、弱い立場にある動物たちを虐待から守ることは、人間を守ることでもあるのだと思います」(同)

週刊SPA! 2018年06月07日付記事抜粋




宮古島で馬への虐待が発覚。糞尿まみれでやせ細って衰弱死、天然記念物がなぜ?.jpg
不潔な厩舎で衰弱し、立つことができなくなった宮古馬。4年以上つながれ続け、死んでいったという

 美しい海に囲まれた、沖縄県宮古島。ここに、天然記念物に指定された日本在来馬の「宮古馬」が43頭生息している。この馬たちが、虐待を受け絶滅の危機にあるという。現地からリポートした。

◆糞尿まみれでつながれたままエサも十分に与えられず、ただ死を待つ宮古馬たち

 取材班は、天然記念物の日本在来馬である「宮古馬」が虐待され、絶滅の危機にあるという報を受け、宮古島へと向かった。そこで、虐待の実態を告発する写真を入手。写っていたのは、短い綱でつながれたまま、掃除もされない小屋の中で糞尿にまみれ、やせ細った宮古馬たちだった。

◆劣悪な環境で次々と衰弱死

「ある牧場では、この数年で10頭のうちほとんどが死んでいるんです。その原因には『凍死』もあります。この温暖な南の島で、いかに異常な飼われ方をしているか」と、宮古馬に詳しいA記者は語る。

「また別の牧場では今年の5月、不潔な環境で十分にエサを与えられず、母馬が衰弱死しました。残された仔馬が餓死寸前の状態でボランティアに発見され、何とか命がつながりました。しかしまた短い綱でつながれ、そのせいで骨折しています」

(※編集部注:その後この仔馬はさらに衰弱し、12月11日に死んでしまったという)

 なかには、放牧して健全な環境で育てている牧場もある。

「しかしそれはほんの一握り。劣悪な環境で何年もつながれたままの馬もいたようです。これでは、本当に宮古馬は絶滅してしまう」(国連生物多様性の10年市民ネットワーク代表・坂田昌子さん)

 なぜそのような状態になってしまったのか? ある飼育者はこう事情を語る。

「市は、馬の飼育を委託する飼育者に、1頭あたり月5000円を支払っています。しかし、それではエサ代の3分の1にしかならず、人件費までは賄えない。そのほか厩舎や馬場整備などにも多額の出費があるし、飼育者のほうも負担になるばかり。ある飼育者は、年間200万円を自己負担することになり、土地などを売って賄っていますが、もう限界ですよ。市は必要な対応をとってほしい」

 市の予算のほか馬事協会からも飼育料が支払われ、1頭につき月8000円ほどが支給されるが、健康な馬を育てるには月1万5000円のエサ代が必要だという。

「ですから、ちゃんと宮古馬を増やそうとするとボランティアになってしまう。市は、責任を飼育者に丸投げしています。現在、仔馬がちゃんと育っているのは、島内でも1か所の飼育者だけといっていい。そこでは十数頭が放牧され、自然交配で仔馬が生まれていますが、近親交配の問題も出てくる。とはいえ、ほかの飼育者のもとで飼われている馬たちには交配の機会はなく、このことが頭数のなかなか増えない原因にもなっています」(坂田さん)

 宮古馬は琉球王府時代、中国への大事な献上品であり、宮古島は良馬の生産地としても有名だった。今上天皇が皇太子の頃、乗用馬として献上されたこともある。日本には現在、北海道の道産子馬や、長野県の木曽馬など「日本在来馬」といわれる馬が8種生息する。宮古馬はこのうち2番目に少ない43頭で、絶滅を危惧される頭数にある。

 つい数十年前までは、馬たちは日本国内の農村や山間部での苛酷な労働を引き受け、田畑の耕運、重荷の運搬、急峻な山道を分け入っての材木の運び出しなど、人間の暮らしを支えていた。しかし戦後になって自動車や農機具が急速に普及し、一気に不要の存在となっていってしまったのだ。

 実際、戦前までは宮古島に1万頭ほどの宮古馬がいたが、’70年代には7頭に。しかし琉球大学の新城明久博士の調査をきっかけに’77年から保存対策が始まり、沖縄県指定の天然記念物となった。その流れを受けて「宮古馬保存会」が発足した。

◆一部の宮古馬を保存対象から外す!?

 環境保護団体メンバーのBさんはこう訴える。

「宮古馬が短期間に次々と衰弱死していることが見過ごされているのが信じられません。保存が始まって最初に馬の死亡が確認された段階で、死因によっては所有者・所在の変更について検討をしなければならなかったはずです。県も市もこれまで放置し続けてきたということ。さらに保存会もまったく機能していないということです。さらにこの保存会は、’15年に宮古馬の天然記念物の指定を外す整理計画を始めました。市の負担を減らすため、一部の高齢馬は補助の対象から外そうということになったんです」

 宮古馬保存計画策定委員会の委員のCさんは「種の集団維持には100頭は必要。保存集団が小さすぎると遺伝的に問題がある。県も100頭を目標としている」と疑問を呈した。しかしその意見は取り入れられることなく、市は’17年に一部の宮古馬の「保存除外」を決定した。ここでは「10歳以上の馬で、系統の行き渡った雄馬と、10年以上子供を産んでいない雌馬を天然記念物の指定から外し、それに対しては飼育料を払わない」と決定されたのだ。このままではさらに飼育者が苦しくなる。

 このことを知った坂田さんが宮古馬保存の担当部署である宮古市生涯学習振興課に確認した。

「担当者は『保存馬の場合は、保存会が管理するという意味。保存馬から外した馬は、保存会が管理するのをやめて希望者に払い下げるという意味です』と回答しました。絶滅が危惧され、むしろ改善策が必要なのになぜ保存から外すといった話になるのか理解に苦しみます。同じ天然記念物の在来種である木曽馬は約200頭、御崎馬も約100頭いますが、それを保存から除外するなどという話は聞いたこともありません」

 保存から外された馬は、どうなってしまうのか。A記者はこう危惧する。

「地元のリゾートホテルが、保存から外された馬を観光用に飼おうとしているようです。でも、天然記念物を一企業に渡してしまったら、経済的に回らなかった場合に行き場がなくなるなど、とても危険なのではないでしょうか。市当局は、とにかく財政負担になる“お荷物”の馬は早く滅んでほしいと思っているとしか思えません」

 生物多様性条約でも「家畜と家禽の絶滅」が問題にされ、多様性の保護が重視されている。国連食糧農業機関(FAO)の世界の動物の遺伝子資源に関するリポートによれば、世界には6500種類の家畜が存在するが、そのうちの20%は絶滅の危機に瀕しているという。

「国連では、持続可能な動物資源の管理を進めるために、管理の実施と資金について、長期的な関与の必要性や相当な追加財源を投入する必要性が強調されています。宮古馬の管理は、現状ではこのような世界の動向に逆行しています」(坂田さん)

 とはいえ、今は一部の飼育者に負担がかかっている状況。何とかいい方法はないものか……。

《健全に育てている一部の牧場では……!》

 健康に育てられたごく一部の宮古馬は「海乗馬」として観光にも活躍している。しかし、そのためにもまず宮古馬を保全し増やすことが最優先課題だ。健全な環境で放牧し、宮古馬を育てている牧場では、馬たちが幸せそうに遊ぶ姿を見ることができる。

週刊SPA!12月11日発売号「宮古馬を虐待から救え」特集より 記事抜粋




【AFP=時事】英公衆衛生庁(PHE)は12日、モロッコでネコにかまれた英国人男性が狂犬病で死亡したと明らかにした。狂犬病が発生している国、中でもアジアやアフリカの国を旅行する際には動物との接触を避けるよう、国民に改めて注意を促している。

 英PA通信(Press Association)によると、男性は2〜3週間前にモロッコでネコにかまれたが、狂犬病の迅速な処置を施されなかったという。

 狂犬病は感染すると脳炎を引き起こす。初期症状が出てからでは治療は手遅れで、患者はほぼ確実に死に至る。

 英国で狂犬病による死者が確認されたのは、2000年以降では7例目。

 PHEによると英国内では1902年以来、コウモリ以外の動物を介して人が狂犬病を発症した例はない。

 コウモリを感染源としたものでは、2002年にスコットランドで感染者1人が出ている。海外では2002〜17年に英国人5人が旅行中に罹患(りかん)している。

AFPBB News 2018.11.13付記事抜粋





ANNnewsCH 18/11/01付記事抜粋




週末を中心に各地で開催されることが増えた保護犬や保護猫の譲渡会。夏には、新宿の大手百貨店の京王百貨店が『みんなイヌ みんなネコ』というイベントで譲渡会を行った。数年前に比べると驚くほど、開催数、開催する動物愛護団体が増加し、小さな規模で行っているものも含めると、その数は把握できないほどだ。

そのおかげが「ペットショップではなく保護犬や保護猫を」という選択も増えているが、ペットショップで購入する人のほうが圧倒的に多い

その理由のひとつとして「保護犬・保護猫の譲渡条件の厳しさ」をあげる人は少なくない。今夏、人気YouTuberのHIKAKIN氏がペットショップで猫を購入したことが炎上した際にも、「影響力ある人は保護猫を飼うべき」、「独身男性は保護猫を譲渡することができない」、「厳しすぎる譲渡条件がゆえにペットショップしか選択肢がない」といった意見がtwitterでも多かった。

確かに、各団体が掲げている譲渡条件は厳しいものもある。独身や賃貸にはクリアできない条件も多い。なぜこういった譲渡条件が存在するのか。10年以上、多くの動物たちの譲渡を行っている、一般社団法人ランコントレ・ミグノンの友森玲子さんに、動物譲渡の現状を教えてもらった。


保護動物と譲渡条件の関係とは!?

ここ1〜2年、動物譲渡の環境は大きく変わってきた。私が活動している保護団体でも、毎月第2日曜日と第4土曜日に譲渡会を開催しているが、以前よりも問い合わせや来場される方の数は倍近く増加している。また、メディアの取材も以前は、犬猫系などの動物雑誌や番組が多かったが、最近では、一般雑誌で「保護動物の記事を作りたい」、「譲渡会って何?という取材をしたい」という依頼も続いている。また、譲渡会を絡めたイベント開催のお話をいただくことも増えている。

しかし、過去に比べれば譲渡数は増加しているが、増え続けるペットショップに迫る勢い、というわけではない。なぜ、譲渡数が飛躍的に伸びないのか。動物愛護団体からの譲渡をためらう理由として、もっともよく聞くのが「譲渡条件の厳しさ」だ。

最初に、譲渡条件について考えさせられる私が出会った事例をいくつか紹介しよう。


「仔犬じゃなきゃ嫌」という老夫婦

犬を看取ったばかりの老夫婦が「かわいそうな犬を助けたい」と譲渡会にやってきた。譲渡条件で60歳以上は難しいと話したところ、独立した娘さんが保証人になる、ということで譲渡することになった。とはいえ、犬にとって飼い主がコロコロ変わることは望ましくない。また、娘さんの人生もあるだろう。娘頼みだけでなく、自分たちで最後まで看取れるよう中高年の穏やかな犬の中から譲渡を勧めた。ところが、「最後に飼う犬になるので若くないと嫌だ、仔犬がいい」と折り合いがつかず、結局譲渡に至らず帰っていった。

後日、その老夫婦から連絡が来た。あの後、ペットショップで柴犬の仔犬を購入したという。ところが、四六時中鳴いてうるさい。寝不足で自分たちの体調が悪くなったのですぐに引き取ってほしいというのだ。

こちらでは、動物愛護センターからの受け入れで手一杯なのと、そもそも若い犬は年齢的に譲渡できない、と説明したはずなので引き取らない、と拒否をした。そんな無責任な理由では私たちは受け入れられないので、娘さんに預けるべきだと伝えたところ、吠える、噛む、物を齧る、トイレを覚えないで、仕事の忙しい娘にはとても頼めない、とのこと。

仔犬には罪はないがこういった条件で引き取ることはできないので、ドッグトレーナーを紹介するので娘さんが飼うしかないと話をした。


譲渡条件をクリアしても出戻ってきた犬

40代の女性にチワワを譲渡したケースを紹介しよう。女性は独身だったため、犬を飼える実家を保証人に立ててもらい、小型犬1頭ならいつでも預けられるので大丈夫、ということで譲渡に進むことになった。日中は仕事で留守番時間も長いので、比較的マイペースな7歳の成犬に決まった。

ところが譲渡して数年経過し彼女から連絡があった。「失業して経済的に厳しいので、譲り受けた犬を手放したい」という。飼えなくなったら実家に託す約束だったが、その後実家環境が変わり、親から兄弟に世帯主は変わっていた。どうも話から兄弟は犬を飼育を望んでない様子だ。このまま犬が行った場合に幸せになれる保証がないため、再度譲渡先を探すことに。でも、最初の譲渡の頃よりも犬の年齢が上がっていたため、次の譲渡先を探すのにはとても時間がかかってしまった。

彼女は非常に慎重に、譲渡条件も理解をして犬を引き取ってくれていた。でも、これが動物と暮らす現実でもあるのだ。今、犬を飼いたい、猫を飼いたいと思っているときは、仕事もあり、家族もいて、健康であっても、それが続く保証はない。「そんなことを言ったら、犬と猫と暮らすことなんて誰もできないじゃないか」と言われるかもしれないが、突き詰めると究極はそうなのかもしれない。「自分の今の状況が続くとは限らない」ということを理解して、動物を飼うことを決める、というプロセスが今の日本では不足していると感じている。


飼育放棄した原因が「譲渡条件」

ペットフード協会の2017年の調査によると、動物愛護団体など保護犬の存在を知りながらもそこから入手しなかった理由は、「審査手続きがわかりにくく面倒になったため」が24.0%もいることがわかった。他に、「高齢のため」13.7%が多かった。

動物愛護団体の譲渡の条件の一例を挙げると下記の部分が必須な団体は少なくない。私が運営する団体でも活用している条件でもある。

・60歳以上のみの世帯へは譲渡しない

・継続した収入源のない家庭へは譲渡しない

・単身者の場合は血縁者の後見人が必要

他にも細かな条件を出しているところもあるが、基本は上記の3点が重要と言われている。はたして、この3つの条件は、厳しすぎるのであろうか? もちろん、上記の条件の方でも動物を大事にし、生涯責任を持って育ててくれる方はいるのはわかっている。こういった条件をつけることを差別的だと思われる方がいるのもわかる。が、これらの条件は漠然と決まったのではなく、動物を飼育放棄する人から放棄した理由を聞き取り、その理由で上位にあがったものが選ばれているのだ。

年齢制限があるのは、動物も長生きをするからだ。20年以上長生きする犬猫も増えていて、60歳で仔犬や仔猫を迎えれば、80歳のときに犬猫も老後を迎える。同じときに人間も動物も病気が増え、介護が必要になる。そういった状況を考え、私の団体では60歳を制限としている。

また、収入源に関しては説明するまでもないだろう。動物を飼育するには想像以上にお金もかかる。病気になったときに病院に連れていくことができるだけの収入は必須なのだ。単身者は、ネットなどでも話題になる部分だが、万が一のセフティーネット(後見人)は必要だと思っている。飼い主に万が一何かあったときに彼らは生きてはいかれないからだ。ネットでは、「独身男性が譲渡できない」と話題になるが、うちでは、性別は制限していない。ただ、独身男性の譲渡後の動物虐待事件などが続くことから警戒している団体もいるのだ。

私たちは、殺処分を減らすため動物を一時的に保護し、それぞれの個体に必要な治療を行い、人と上手に暮らせるように躾も行っている。二度と不幸な目に合わないように、幸せに暮らすために人も動物も努力をしている。それなのに、再び放棄されたり、十分な世話を受けられない環境に送り出すのは、言い方が悪いが、穴の空いた袋にゴミを拾っているのと同じになってしまう。動物保護は、保護して譲渡して終わりなのではなく、譲渡した先で安全に暮らせることまで考えなくてはいけないからだ。


譲渡条件は「責任」を考えるきっかけ

ここまで読んでくださった方の中には、「結局、譲渡条件は厳しく、保護動物はあきらめろということなのか……」と思われた人もいるかもしれない。

でも、譲渡会でこんな方もいた。数年前に、譲渡会に来てくれた男性で、独身だった男性は仕事で留守がちだった。日々の世話や病気になったときなど、譲渡にあたり話し合ったところ、「今は迎えるべきではないのかもしれませんね」と残念ながら譲渡条件が合わず、お断りした。ところが、数年後に「結婚をして落ち着いたので、あたらめて猫を迎えたいと思う」と夫婦揃って譲渡会に来てくれた。保護活動を長く続けてきてよかったとしみじみ感じる瞬間だ。譲渡条件が合わず断ってしまうと、お互いに少し気まずい雰囲気になるここともある。でも、最近は理解してくれる方も増え、「条件が整ったら、ぜひ来ます」と笑顔で帰られる方も増えている。

「独身だと譲渡できないからペットショップ」という話ではなく、保護動物かペットショップの論争よりも先に、今自分は動物を飼うのに適したタイミングなのか慎重に考えるべきだと思う。これは保護動物だけでなく、ペットショップで購入した動物であっても同じだ。

犬も猫もご長寿が増えた。動物たちが年を取れば、人間と同じように医療費もかかり、介護に時間も使うことになる。犬や猫は自分で歩いて病院にはいかない。生涯人間がケアしていかねばならないのだ。譲渡条件はそういったことを“考えるきっかけ”と思ってほしい。

逆を言えば、譲渡条件が少し揃ってなくても、このあたりの問題を真剣に考え、何かあったときのフォロー体制が出来ている人であれば、譲渡されることも意外と多くある。譲渡条件だけ見て「めんどくさい」と切り捨てず、その先にあるものを知ってほしいと思うのだ。


しつけも健康面もメリットが大きい保護動物

もうひとつ、動物譲渡を阻む誤解がある。それは、「保護犬や保護猫は飼いにくい、不健康である」という噂だ。確かに、劣悪な環境で飼育放棄された犬や猫の中には心に大きな傷を受けるものもいる。また、しつけができないことを理由に放棄され、保護したときにはトイレトレーニングすら出来てないケースもある。

でも、保護された犬猫は、団体施設やボランティア家族の中で、トイレトレーニングや散歩(犬の場合)、歯磨きなどの練習もする。多くの愛護団体は、二度と放棄されないように、人との関係性が築ける状態になってから譲渡している。ペットショップはしつけされてない状態なので、保護動物のほうが圧倒的に飼育はしやすい。

また、ペットショップでは通常行われない血液検査や各種健康診断、不妊去勢手術、マイクロチップ挿入などの医療行為、ワクチン接種なども行われてから譲渡される。保護動物は弱い、不健康である、飼いにくいという先入観は捨てて、自分のライフスタイルに合う動物を探してほしいと思う。

動物との暮らしは、他では得られない笑顔や喜びも大きい。動物と暮らしたいと思う気持ちに罪はない。だた、自力で生きて行くことのできないペットとして飼われている動物は、飼われた家庭や飼い主が生涯のすべてだ。自分と20年間生活をして幸せだろうか、と私自身も常に問いかけたいと思っている。

現代ビジネス 2018.11.3付記事抜粋





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